■事務局ひとり言■

雪暮 東山魁夷 画
雪暮 東山魁夷 画

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寒くなった。外気に触れると体中の血管が縮む。使い古した黒いコ−トを羽織り、リュックを背負って通勤している。うしろ姿はヒグマが仁王立ちした格好に見えるだろう。先月号で書いた五十肩はまだ完治に至らず、カイロで肩を温め続けている。

ところで、酒は年齢とともに身に沁みるものらしい。わたしは酒をホンノちょっと飲むだけで顔が赤くなり、それで十分に満足する。フトコロ具合がさみしくても酒代に傷むことはない。二十代の頃、一度だけ、ビアガ−デンでビ−ルを大ジョッキ3杯飲んだことがある。それが今までの最高の量。これは例外で、元々、肝臓が弱いのである。

最近、飲んでいるのは芋焼酎、缶チュ−ハイ、赤ワイン、日本酒で、その日の体調や気分で少々(ショットグラスで2〜3杯)いただく。ビ−ルは痛風によくないということで敬遠。暮れにはもらいものなどで日本酒がたまった。蔵元は宮城、新潟、東京、兵庫など。

昔むかし、わたしは酒の高校(新潟県立吉川高校醸造科)を出た。米山(993m)さんのふもとである。そのせいでもないだろうが、酒には人並み以上に関心が向き、新しい種類の酒を見るとなぜか試飲したくなる。これはクセである。試飲といっても我流で、酒をちょっとだけ口に含み、そして飲み干すだけ。単なる直感だから、他人サマの参考にはならない。

酒のビンを開封するときには、いつも気分が高揚する。どんな酒だろうか? 興味は深々。五感を集中させる。酒の色、香り、味を吟味する。厳密にいえばどの酒にも個性があって、同じものはなし。人間の顔と同じだと思う。人によっては百恵さんがよかったり、また小百合さんがよかったりして、人それぞれだ。結局、酒は自分の好みで飲み、そして人生の様々を癒し楽しませてくれるものだろう。

発酵中の酒(もろみ)
発酵中の酒(もろみ)

今回の試飲では気になる銘柄が二つあった。その一つ、東京・小澤酒造の亀口酒(かめくちしゅ)。開封すると、シャンパンのように栓が宙に舞った。一口含むと濃厚で極上の酒だということがよく分かる。アルコ−ル度数は21度、日本酒度+3〜4。酒の中にはまだ酵母菌が生きている。わたしはこの酒が劣化しないように、冷蔵庫に保管しながら、じっくりと楽しむつもりだ。

もう一つは新潟の和楽互尊(わらくごそん)の超辛酒。ラベルには、本醸造・アルコ−ル度数16度以上17度未満・日本酒度+10とあった。口に含むと水のようでもあり、焼酎の水割りのような感じだった。そして二度、三度と飲んでみると、まことにスッキリし、飲み飽きしない。ああ、これは酒飲みの好む酒だと感じた。そういう向きの人にはきっと喜ばれるに違いない。

じつはこの和楽互尊(池浦酒造)には、なつかしい思い出がある。高校二年生の冬休み、一人でコトコトと走る電車に乗り実習に行った。期間はたしか一週間位。加藤さんという杜氏の下で、7人ぐらいの蔵人と一緒に酒造りを体験した。酒造りは麹菌や酵母菌などの微生物を扱う仕事で、一日の睡眠は小間切れで取るしかなく、常に睡眠不足だった。唯一の救い、楽しみがみんなで囲む夕飯どきのコップ一杯の原酒だった。大きな貯蔵タンクから直に汲んできたものだった。

杜氏の計いで、高校生のわたしにもこの原酒*を飲むことが許された。原酒のアルコ−ル度数は21〜22度、色はコハク色で、とろ〜んとした酒だった。おそるおそる飲んでみた。え〜、これは何だ? 日本酒がこんなにも濃く、旨いのかと、そのときは驚嘆した。このことは以前にも書いた記憶があるが、生涯にわたって忘れ得ぬ体験である。

寒さが一段と厳しくなってくると、身も心も芯から温めてくれる日本酒が妙に恋しくなり、良寛の里、日本海の地吹雪の中での酒造りの光景が脳裏に浮かんでくる。酒を飲むときには、造り手にも思いをはせながら、最後のひとしずくまで、吟味堪能したいものだと思う。

*当時、原酒は市販されていなかったように思う。原酒を等級により薄めて販売されていた。月桂冠などの灘・伏見の銘柄がブランドで、現在、人気の久保田・八海山などの銘柄は未だ知られていなかった。

追記
地元サッカ−チ−ムの柏レイソルがJ1優勝し、クラブワ−ルドカップで健闘(4位)しました。その労をねぎらい、また来季の活躍を期待して、乾杯〜!

チュ−リップ(オランダ)
チュ−リップ(オランダ)

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