置かれたところで咲く

キバナシオガマ
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●置かれたところで咲く ノートルダム清心学園理事長 渡辺 和子 氏 86歳

「置かれた場所で咲きなさい」がベストセラーになり、私がいちばんびっくりしているんだと思います。書いてほしいというお話があったとき、一度はお断りしました。もう80歳を過ぎて、本を書くような元気はありませんと。でもどうしてもとおっしゃるから、これまでに書きためたものをお持ち帰りになるのでしたらどうぞ、とお渡ししたんです。

 出版社のほうでまとめてくださった原稿を確認して、そのまま忘れていましたら、売れ行きがいいから増刷という話が来て、あとはあれよあれよという間に。印税がずいぶん入ってくるんですが、ノートルダム清心学園の理事長として書いたものですから、すべて学生の福利厚生のために使われることになっています。

 30代の頃、ある宣教師から英語の詩を手渡されました。その冒頭の1行が「置かれたところで咲きなさい」という意味の言葉だったのです。36歳で岡山のノートルダム清心女子大学の学長に任命された頃のことでした。東京育ちの私には縁もゆかりもない土地で、慣れない管理職の仕事がうまくいかずに悩んでいた私を見かねて渡してくれたのだと思います。

 初代と2代目の学長は70代のアメリカ人シスターだったのですが、2代目の方が急逝されたのです。3代目の私が36歳。学位を持っている日本人のシスターが私だけだったということもあるのでしょう。でも年上のアメリカ人シスターもいたのに、急に大学のトップに立って、周囲にも色々な思いがあったと思います。私は「誰も優しくしてくれない」「わかってくれない」と悩み、修道院を出ようとまで思いつめていました。

 発想を転換したのです。周りの人のせいにするのではなく、まず自分がほほえみ、感謝し、おわびを言う人になろうと。そうしたら、不思議なことに少しずつ周囲も明るく、優しくなっていきました。

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