長寿遺伝子とテロメア-2


第2回
第1回

「いつまでも歳をとらずに、長生きしたい」。そんな不老長寿への夢が、必ずしも夢ではなくなってきました。最近の研究で、老化を遅らせ、寿命を延ばす「長寿遺伝子」の存在が明らかになったためです。この遺伝子は誰もが持っており、上手に働かせれば寿命が延びる可能性も秘めています。この遺伝子のスイッチをオンにするには、私たちの生き方が重要なカギを握っているといっても過言ではありません。延び続ける人間の寿命。最新の生命科学への期待は高まるばかりです。老化と長寿研究の第一人者で、順天堂大学院教授の白澤卓二さん(55)と山田養蜂場の山田英生代表(56)が長寿遺伝子の秘密や人間の寿命などについて語り合いました。

●カロリー制限でオン

山田 寿命が延びたアカゲザルは、カロリー制限によって長寿命遺伝子のスイッチがオンになった、ということですね。このようなケースは動物だけでなく、人間にもあてはまるのでしょう。やはり、食事は「食べたいから」といって食べたい分だけ食べるのではなく、腹七分目か八分目に抑えておくことが大切ですね。

白澤 それと、赤ワインに含まれるポリフェノールの一種、「レスベラトロール」が長寿遺伝子を活性化させ、老化を防ぐ働きのあることもわかりました。実験を行ったのはハーバード大学准教授のデビッド・シンクレア博士。博士は、カロリー制限をしていないマウスにレスベラトロールを投与したところ、サーチュイン遺伝子が活性化され、寿命が延びたといいます。レスベラトロールは赤ワインの原料に使われるブドウの皮や種子のほか、最近では御社でも研究されているインドネシアの植物「メリンジョ」にも含まれていることがわかり、注目されています。

山田 肉などの動物性脂肪を多く摂っていながら、フランス人に心臓病が少ないのは赤ワインを通じてレスベラトロールを日常的に摂取しているから、といわれていますが。

バオバグの木 樹齢1000年くらい
バオバグの木 樹齢1000年くらい

●テロメアは細胞寿命


白澤 そういわれていますね。これまでの実験結果などから、サーチュイン遺伝子がオンになると多くの老化要因を抑え、肌、血管、脳などが若く保たれ、寿命が延びると考えられています。メタボリックシンドロームなどの治療にも有効との指摘もあります。
「テロメア」という言葉をお聞きになったことがあると思いますが、ギリシャ語で「未端の部分」を意味し、染色体の末端にキャップのようにくっついていて、DNAを守る役目を果たしています。今、医学や生命科学に携わる研究者らが健康寿命のカギを握るものとして、注目しているのがこのテロメアなんです。テロメアは赤ちゃんの時が一番長く、加齢と共に短くなっていきます。

山田 なぜ、テロメアが健康寿命と関係あるのですか。

白澤 ご存知のように、私たちの体は、細胞が分裂し、新しく生まれ変わることによって正常な機能を維持しています。しかし、細胞が分裂できる回数には限度があり、50回〜70回くらい分裂すると、それ以上は分裂できなくなるといわれています。これは、テロメアがすり減っていくためで、細胞分裂を繰り返すたびにテロメアは短くなり、ある一定の長さまでいくと、細胞分裂ができなくなってしまいます。そんな性質から、テロメアは細胞の寿命を示す「寿命の回数券」とか「老化時計」などと呼ばれています。

山田 テロメアの回数券がなくなると、細胞が分裂できなくなり、若い細胞が生まれなくなってしまいますね。

(つづく)

前の「記事」へ戻る 「ボグ交差点97」へ 次の「記事」へ進む

 全国ボウリング公認競技場協議会「トップページ」へ  「ボグ交差点・目次」へ