「ウエルカム」と声をかける

夏至祭の少年 スウェーデン
夏至祭の少年 スウェーデン


●「ウエルカム」と声をかける 富士箱根ゲストハウス代表 高橋 正美 1948生

 神奈川県箱根町で外国人向けの民宿を経営しています。観光地にある実家を増築するなどして始めた素泊まりの宿です。約15部屋あり、1泊5千円から。開業30年で75カ国から述べ13万人を超える外国人が泊まりました。口コミで評判が広がり、2008年には、ホテル経営学で有名な米・コーネル大などのアジア対象の調査で高級ホテルと並んで最高評価を受けました。異文化交流を評価してくれました。

 特別なことはしていません。温泉に入って、和室の布団で寝てもらう。広間で私や妻らが日本語や折り紙を教えたり、忍者の衣装、焼き物を着せたり、歌ったり、国際交流をする。外国人は、こうした人との触れ合い、学びあいを求めています。

 日本人はよく外国人をヨイショしたり、特別扱いしたりしてしまいます。例えば、土足で部屋に上がっても、外国人だからと大目に見たり、反対に「ダメじゃないか」とネガティブに反応したり。外国人は対等に接してほしいと思っています。日本人のありのままの姿を見て、生活文化を体験したいのです。だけど、多くの日本人の心にはバリアーがある。英語ができないからと尻込みし、文化、習慣の違いや貧富の差などを受け入れられずにいる。そのバリアーをなくす努力が必要です。語学は大事です。でも、私は「外国人の来訪を歓迎する心」を育むことの方が大事だといっています。

島の古い家
島の古い家

 政府は6年後の東京五輪までに訪日外国人を2千万人に倍増させる目標です。人が2倍になれば、トラブルも2倍になります。経験上多いのは事件、事故、病気、異文化トラブルです。宿でも、小さなクモが1匹出ただけで毒グモだと大騒ぎ。自販機に外国硬貨を入れたり、スタッフを呼ぼうと非常ベルを鳴らしたり、迷子になったり観光業界だけで対応するのは困難です。

 日本人一人ひとりが意識を変えないといけない。外国人観光客は堂々としているように見えますが、本音はビクビクしています。地理も言葉も日本の常識も分からない。高い航空代を払ってまで来てくれた外国人は日本のファンです。土足で上がったら、日本の習慣を教えてあげる。道を聞かれたら、日本語でもいいから案内する。街角で接したら「ウエルカム」と声をかける。歓迎する心が彼らの不安を取り除き、日本に来てよかったなと感動させます。学校教育から外国人との交流を通して、歓迎する心を育むべきです。東京五輪は、日本人全体の意識を改革するチャンスです。

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