若い時からロコモ予防を

 

●若い時からのロコモ予防を 東京慈恵会医科大学附属病院 病院長 丸毛啓史 氏 1981生

QOLを低下させる運動器の障害
人の骨や筋肉の量は、20〜30代をピークに衰え、40〜50代になると腰やひざが痛い、長く歩くことができないといった症状を訴える人が増えてきます。それを放置しておくと、骨粗鬆症、変形性関節症、腰部脊柱管狭窄症などの疾患を引き起こし、歩行困難から寝たきりへと進行することも。その流れを食い止めるには、自覚症状がない時からの対策が有効です。超高齢化社会が進む現在、要介護・要支援に認定される原因の第1位は運動器の障害。手足や腰・関節が痛い、動きにくい状態はQOL(Ouality of Life)を著しく損ないます。予防は社会的にも重要な課題です。

 日本整形外科学会が2007年にロコモティブシンドローム(運動器症候群・以下ロコモ)という概念を提唱してから10年。整形外科医で構成されるロコモアドバイスドクターや、幅広い分野のロコモサポートドクターによる啓発活動の成果もあって、ロコモという言葉は中高年齢層を中心に浸透し、運動器の健康に気を配る人も増えてきました。しかし、若い人たちには「自分にはまだ関係ない」と思われている現状があります。



・成長期からの運動習慣が予防に
 運動器は、筋肉の特別な病気を除いて、適切な運動と栄養によって改善され得る器官です。年をとって筋肉が衰えたとしても、鍛えることで機能は上がります。つまり、年齢に打ち勝てる可逆的な性質がある。予防のための運動習慣には非常に価値があるのです。
 小学校の時からの運動習慣は、大人になってからの骨量や筋量に影響するという調査結果もあります。成長期からずっと運動を続けている人は、年をとっても骨や筋肉が強いので、運動器疾患は起こりにくいといえます。問題は、普段まったく運動習慣がない人です。運動不足の上、メタボリックシンドロームなどの指摘を受けていても、実際に足や腰の痛みで生活に支障が発生しないうちは、ついそのまま生活している人が多いのではないでしょうか。ロコモ度を測る「ロコモ度テスト」は、自分の運動器が今どれくらい危機に瀕しているかを調べるテスト。将来運動器の深刻な故障に至らないよう、いまからでもチェックして、痛くなる前に対策をとってください。

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