スポーツと栄養


●スポーツと栄養

元陸上選手 為末 大 氏 1978年生

 小学生で短距離走を始めた頃、母はスポーツ栄養学の本を元にお弁当を作っていました。中学生頃からは体作りのため、たんぱく質と炭水化物と野菜、牛乳をよく摂っていたくらい。後半は競技をやっていく上でのパフォーマンス向上と栄養バランスという大きなテーマで考え、多くの選手と同様、自炊と外食で栄養管理をしていました。

 長期で見た場合、疲れにくくなることがメリットだと思います。ちゃんと食べて寝て、次の日も元気にグランドに出てくる。そうしたプラス面の継続は、後に大差につながり、栄養の最大の効果だと感じています。

 各選手同様、自分なりのストレスコントロールをしていました。最後の最後は「オリンピックでうまくいかなくても選んだのは自分ではない。与えられた役割をこなせばいい」と、ストレスを背負わないようにしました。

 食育についてアメリカ人の選手は疲れてくるとケチャップ味を、日本人は出汁のきいた味噌汁を飲みたくなります。そこで考えたのは、幼少期に食したネイティブな味が舌に残るのであれば、大人になってから日常的に抑制しなくても、健康的な食材を選ぶようになるのではないか。

 将来アスリートになっても困らないよう、うちの子供には、味噌が非常に少ない出汁のきいた味噌汁を飲ませるなどトライしています。

 人間の本質を変えることは、そう簡単ではありません。がんばれば自分を変えられる、というモデルをつくるよりも、自分の性質を知り、そんな自分でもパフォーマンスを発揮できるようにするためには、どのようなルールを作ればよいかを考えることが大切です。

 ふだん食事制限をしていても、ストレスがたまったり疲れたりすると、どうしてもお菓子を食べてしまう友人は、コンビニから遠くの家に引っ越すだけでも、食生活をコントロールできるようになりました。

 「できない、無理だ、限界だ」という思い込みが可能性にフタをすることがあります。100%完全な結果を出そうとするよりも、楽天的で粘り強いほうが結果を出しやすいと思います。


プロ野球選手の食事 田中将太選手

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