アンチエイジングが嫌い

 
帯津良一氏

●窮屈に生きるよりも、もっと自由に 帯津三敬病院 名誉院長 帯津良一 氏 1936生

 私は、現在81歳です。青年には青年の良さ、壮年には壮年の良さ、老年には老年の良さがあります。「人生の幸せは後半にあり」と語ったのは貝原益軒ですが、その通り今は、これまでの人生がギュッと詰まっていて、それでいて高級なオムレツのように、ふんわりしているような感じです。

 なにより、私はアンチエイジングが嫌いです。老化を敵のように追い払おうとするのは、今までがんばってきた自分の体に失礼だと思っています。

 先日、アメリカの老化を専門とする生理学者であるS・J・オルシャンスキー氏と、B・A・カーンズ氏が著した「長生きするヒトはどこが違うか」(越智道雄/訳、春秋社)という本を読みました。

 その中で気に入ったのは、「長生きするヒトは、違うところなんかない」という結論です。これには笑えるというか、拍手を送りたくなりました。昔から長寿に関する研究はたくさんありますが、いまだに確実に長生きする方法なんて見つかっていないのですから、そんなものはないと考えた方がいいのです。

 また、「長生きの方法」について述べている二人の考えも、私好みです。「長生きするためには節制をしなければならないと思われているが、70歳を過ぎたら、節制ばかりしないで週に1回は悪食をしたほうがいい」と書かれてあります。つまり、だんだんと健康的ではない生活を増やしていくのがいい、というわけです。

 その通り、せっかく70代、80代まで生きてきたのですから、そのご褒美として、少しずつ羽目をはずして、もっと自由に過ごせばよいと思います。

 志を果たすために健康でいたいという人の気持ちもわかりますが、果たせずに倒れたとしても、それはそれ。誰かがその志を引き継いでくれるでしょうし、あの世から自分がまいた種がどう育っていくのかを見ているのも、またおつなものです。

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