普及活動のページ レッツ・ゴー・ボウリング!

宮田 哲郎

(社)日本プロボウリング協会 (社)日本体育学会・体育経営管理部会員

第41章 

平成20(2008)年12月1日号

大原女 荒木 義太郎 画
大原女 荒木 義太郎 画
目次
第40章
第39章
第38章
第37章
第36章
第35章
第34章
第33章
第32章
第31章
第30章
第29章
第28章
第27章
第26章
第25章
第24章
第23章
第22章
第21章


第20章
第19章
第18章
第17章
第16章
第15章
第14章
第13章
第12章
第11章
第10章
第9章
第8章
第7章
第6章
第5章
第4章
第3章
第2章
新時代2
第1章
新時代1
はじめに

 去る10月20日、東京で日本ボウリング場協会調査研究事業

MBA[ジュ二ア対策シリーズ]に出講しました。その席で何人

かの経営者に久しぶりにお目にかかり、セミナー内容について、

後日詳しく聞きたいと熱心なリクエストをいただきました。


 翌日から*南九州の5センターを巡回、現在の業況について、

議論したり、幹部社員のご意見を聞く機会がありました。等しく

大変な危機感と閉塞感を抱いておられ、BPAJ事業委員会が発表

する緊急対策に重大な期待が集まっていることを実感しました。

 *鹿児島・宮崎・延岡・串間・大分・福岡など。


 帰京してから、すぐ翌日に*中・四国の教育委員会やスポーツ

振興財団を訪問、ボウリング場との公的行事提携の内容について

、具体的な交渉をしてきました。来年早々に実現する予定です。

 *香川・岡山。


 今月のコラム普及活動は、前号と内容が重複するところが多々

あると思いますが、私の主義(大事なことは何度でも申し上げる)

に免じてお許しください。


○収益源の再開発を考える

 手元にある関西地域の営業成績は、惨憺たる有様です。

 とくに若者や家族の来場が激減しており、ガソリン・ショックの

後遺症かという人がありますが、世界的な金融危機から端を発する

事件で、わが国の実体経済の後退になること必至の状態です。


 業界の収益源は一部センターを除き、ボウリング・ゲーム代で、

内訳はフリー客が7−8割以上を占めています。一見さんの大半は

10−20代の若者層(参加率40−50%)で、再来場が計算し

難い顧客です。


 他に、年1−2度の会社・商店のグループ・コンペがあり、一応

計算できる客層ですが、現場は「人手不足」を理由に新たな需要の

開発を怠けがちです。また、60歳―70歳のシニア、キッズと

ジュニアを含む「家族連れ」も、来場頻度が低いとはいえ、実は

計算できる顧客であろうと思います。


 業界の問題は、その集客手法が「イン・センター」に留まって

いることですが、現場は「どうしたらよいか、判らない」と言う

ばかりです。


○281万人の若者が消える!

 余り知られていませんが、ヤングの来場動機は「ボウリングをしに

行く」のではなく、仲間と愉快に、快適に、一定時間を過ごすために

、ボウリング場に来ているだけのことです。昔のようにボウリングが

直接目的だった時代とは「雲泥の差」がありますが、どのような対策

がたてられるのでしょうか?


 一方、(R1社など)若者に特化して最新型の「暇潰しゲーム機器」

を各フロア一杯に設置していますが、私見ですがこの方法に将来性が

見えません。ここでも、われわれ同様、革新的変化が必要なのです。


 理由はP.F.ドラッカー教授の言を待つまでもなく、数年後には

若者(10歳―20歳の人口総計)が、*281万人も減少するから

です。しかも、「ボウリングという商品のレトロ化」の食止め方が

判らず、業界が続けてきたトレンド・マーケテイング手法は、徐々に

無力化すると思われるからです。 *2002年 人口問題研究所の推計。


 若者客と単純娯楽的な需要に、過度に依存してきた業界は、こんご

数年間で二ケタの減収を余儀なくされるでしょう。ことに10歳代の

ボウリング参加率が約50%、20歳代が45%もあるので、概算で

若者のボウリング人口が140万人ぐらい減少することになります。

これは現在のおよそ5−6%に当たる数値です。


 ところが、業界には景気よく[5,000万人]キャンペーンなど

と言う向きがありますが、この数字を前にすれば言葉を失うでしょう。

私は、空前の危機を乗り越える*具体策は、およそ次のような[大衆

ニーズに個々に応える]ことにあると思いますが、如何でしょうか?


*1.キッズとシニアの振興か?     ・・・中長期の作戦

*2.はたして、リピーターの創出か?  ・・・  〃

*3.大金叩く、マス・メデイア露出か? ・・・短期速攻作戦


 どれも正解と思いますが、他の解がありますか? 戦略順序は?

1−2−3の同時展開が、もっとも望ましいと思いますが・・・。


○もう、時間がない!

 設備が古く、大型でマンネリのセンターは、撤退を考えるでしょう。

一方、定期的にリニュアルしており、マン・パワーがあって営業収益

に「確実なコア」があるセンターならば、歯を食いしばって危機を乗り

越えてゆくでしょう。


 しかし、時間がありません。無駄な会議より即実行ですが、関係機関

に十分な予算があれば敢然としていち早く3を展開すべきです。また、

1−2は中長期計画として、粛々と実行するしか選択肢はありません。


 次に、1−2の訴求ポイントは[スポーツ・ボウリング]です。

 キッズは本物のボール遊びで教育、女性とシニアなら健康です。

 *全ての属性に共通するコンセプトは、ひとこと[スポーツ]ですが

、室内スポーツ特有の安全性と快適性、ボウリング本来の楽しさがキー

・ワードになることは論を待たない、ところです。


*人々がボウリングに期待すること:属性別のニーズとキー・ワード

@キッズとジュ二ア:親子の対話・子ども同志交流・心身のストレス解消

Aレデイスとシニア:健康と美容(痩身)・友人家族の懇親・ストレス解消

B若者と上達志向者:熱中したい・仲間に差を・より多くの知合いが欲しい

C地域の行政ニーズ:国策に参画、地域の人脈を作り、PRして人々を動員する

 「総合型クラブとボウリング」2002年 宮田哲郎・総合型クラブ育成アドバイザー講義録


○戦略ツールは、すべて揃った

 およそ5ヵ年間、属性と目的別の戦略ツールを開発してきました。

 いまは、主に[中学校区]の範囲で住民を動員、テキストの性能を

試験中です。しかし、インストラクターと管理者のマニュアルは複雑

なので仮説を立てて検証中ですが、所期の性能は十分あるようです。


 テキストも、ボウリング種目の特性と参加者個々の目的達成に特化

して、[楽しさ]を十分に味わえるよう配慮しました。近代ボウリング

の魅力[曲がるボール]もマスターできるように編集、専門的な図表

(入射角度とストライク率など)も多数 収録しました。


 主に中・四国・九州などの総合型クラブ行事でボウリングの人気が

高く、クラブ関係者は学校教師の方々が多く、「教育のプロ」から感想

をいただきながら随時改良に努めています。


○もはや、ぶれる必要はまったくない!!

 幸いなことに、ボウリングの魅力は依然として健在です!

 証拠は、近時の「レジャー白書」で、今後やってみたい種目の上位

にボウリングが必ずランク・インしているからです。


 また、閉塞感は米国政府の間違った経済政策と金融不安が招いたこと

です。いま、何をやっても効果はないでしょう。「閉塞感を招いた原因

は、我にあらず」と腹を括って、いまできる仕事に集中しましょう。

人事を尽くして、天命を待ちましょう。


 ところで、前記1と2を効果的に進める方策は、すでに総合型構想に

参画、地域の役に立つことを営々と展開しているセンターならば意外に

容易な仕事です。当然ながら、前述の各種テキストやマニュアルを前に

、担当者教育とトレーニングが必要ではありますが・・・。


 総合型構想の高邁な理念に共感して、常に協力を惜しまないセンター

は、いままで行政や学校にあった[高い壁]がいつの間に取り払われて

、ご褒美を享受する(公的な需要が生まれるから)ことができるのです。

                       この項、終わり。


 後記 私のような者の[不吉な予告]が当たらないことを、

     切に願っています。「右上がり」時代はとっくに過ぎ、

     現実を直視する者、本当にボウリングを愛する者達が

     衆知を集め、次なる夢に向かって歩み始める時である

     と思っております。

普及活動のページ「目次」へ 全国ボウリング公認競技場協議会「トップページ」へ