普及活動のページ レッツ・ゴー・ボウリング!

宮田 哲郎

(社)日本プロボウリング協会 (社)日本体育学会・体育経営管理部会員

第43章 

平成21(2009)年2月1日号


目次
第42章
第41章

第40章
第39章
第38章
第37章
第36章
第35章
第34章
第33章
第32章
第31章
第30章
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第7章
第6章
第5章
第4章
第3章
第2章
新時代2
第1章
新時代1
はじめに


 前回(元旦号)の要旨は次の3点でした。ひとつは業界が

何もやらなければ、世界的不景気と若者の減少で1−2割の

減収が続くこと、一方で人口増加中のシニアは参加率が低く

、早期に「何らかのキャンペーン」が必要なことです。


 三つ目は、本当の狙い目は『キッズとジュ二ア』であり、

早い効果も期待できると申しました。これら問題解決は現場

のマン・パワー増強と*経営パラダイムの変革だとも申し上

げました。 *思考の枠組みを変えること。


 私見ですが、業界を救うヒントは80年代から急速に進歩

したスポーツ・マーケテイング手法に多数存在します。最近

5カ年間のやりかたもここに原点があり、毎月各地で交流中

の若手経営者の方々のご意見も十分に反映させています。


1、新しい甕に、新しい酒を!

 新しい甕とはまったく新しい経営パラダイムのことですが、

酒は「ボウリング業界に無縁だった」公的・私的なスポーツ

需要を意味します。当然、このようなニーズの顕在化が簡単

に行くものではありません。


 しかし、よい方法があります。未だ耳なれない手法ですが、

*『関係性マーケテイング』を正しく自由に駆使するのです。

各地でキッズ・ジュ二ア・シニア・幼稚園・学校など試行し

続けましたが、この頃は子どもたちの保護者や学校、地域の

教育行政機関から評価されるレベルまで仕上がって来ました。

*企業が顧客創造のために行う説得的なコミュニケーション、

または「もっぱら顧客と対話して行う、新しい需要づくり」。


 ここで用語にチェックを入れましょう。

 経営学の巨人P.F.ドラッカーは、会社は「社会の成員」

であるから、存続・発展の利益を確保する一方、地域の人々と

社会に貢献しなければならないと喝破しました。また、会社の

目的は「顧客の創造」にあり、企業を実りあるものにするのは

マネージメントだが、顧客創造の車の両輪はマーケテイングと

イノベーションであるとしています。

 結局、マーケテイングは顧客のニーズを探り、顧客の満足を

得られる価値を提供する行為です。また、イノベーションは、

読んで字のごとく、顧客ニーズに対応するばかりでなく、自ら

新しい顧客満足を発明する(つくりだす)ことです。


2.頭を切り替えないとスタートできない

 いままで、私が一貫して主張しているイノベーションとは、

過去50年のトレンド志向「一辺倒」は、もう止めようという

ことです。突然生まれたマス・レジャー・ブームで育った業界

ですから、無理もないことでしたし、あの頃は大正解だったと

評価してはいるのですが・・・。

 やはりTV・新聞メデイアは、確実な即効性があります。

しかし、大金がかかるうえ、一過性が強く、絶え間なく露出

し続けないと効果が薄れるだけでなく、いったん休止すれば、

すぐに忘れられる危険性すらあります。


 メデイア業界では、TV・新聞で大衆を引き付けることで、

従来のやりかたに早くも限界を感じています。私はわかり易く

もう[終わった]と言いますが、私の説が正しいかどうかは、

時間がたたないと判りません。しかし、できるだけ早く*地道

な仕事にかからないといけないことは、皆さんも痛切に感じて

おられるでしょう。

*センターの商圏を中心にしたエリアまたは関係性マーケテイング。


 もう、大量生産と大量販売、大量消費の時代は終わりました。

 そこには消費者意識の高度化と成熟化があり、*モノより心の

豊かさを求める人々が多くなってきたのです。

*「わが社は工場で化粧品をつくりますが、店では夢を売っているのです」

     レブロン化粧品創始者 チャールス・レブロン。


 すでに「近ごろの若者が,ものを買わなくなった」ようです。

 つまり、衝動買いをしなくなったのです。自分への投資として

は高額な物を買うことは厭わないところを見ると、明らかに本物

志向へとシフトしているのです。


 2,010年までの人口減で、業界は100万人以上の若者客

を失います。*逆に65歳以上人口は110万人近く増えますが

、参加率が*6%前後の「分別盛り」の方々です。昔より遥かに

[ヤング・ハート young at heart]な団塊世代を

引き付けるのはムードでなく、本質を見せること、本物の魅力を

味わっていただくことと思います。


   *30−40歳は90万人増、50歳代は180万人減。

   ボウリングが大量動員するには、メタボ予防とリハビリ

   以外は思いつかない。一方、約1、000万人のキッズ

   とジュ二ア層は、ほとんど手つかずの有望市場。


   2005年―10年の5カ年で、総人口は約1割減る

   (144万人・厚労省人口問題研究所)。キャンペーンの

   対象は、計算上キッズとシニアとなる。業界アプローチが

   、今までのように[単純な娯楽、金がかからないから]と

   いう単純な図式は、まったく通用しない恐れがある・・・。

   (以上、前号より)


3.新しい収益源を再考する

 将来、関係性マーケテイングが成功しなければ、人口構造の

変化による減収を補うことはほとんど不可能でしょう。現在、

収益の7−8割以上がフリー客に依存しており、一見さんの

大半は若者だからです。


 更に追い討ちをかけるのは、低い再来場率とリピート率です。

いままで単純娯楽需要に安住してきた「ツケ」がまわってくる

のです。こうなると「コンセプトはスポーツだ!!」と誰でも

思うのですが、ことは簡単ではありません。


 本コラムでは、スポーツ需要の開拓は国策に協力すること、

と言い続けていますが、「ボウリングの何処がスポーツ? どう

したらスポーツになるか、ボウリングで何ができるか、何が

得られるのか」を証明できないといけません。


 御社を除いて、ブーム時代から「金儲けのアイテム」と高を

括ってきた「普通のボウリング場」を信用する人は殆どいない

のです。実際、急に経営コンセプトを変えること(図表:収益源

のアン・バランス)や地域社会に行動して訴求することは容易

ではないのです。


 
つまるところ、この事業の将来は、ボウリング場が、

ボウリングで、スタッフ一同で、地域に貢献する覚悟が

あるか、どうかにかかっていると思います。
「青臭い、

理論だ!」とおっしゃる方が多いことも知っていますが

、これが「関係性・・・のゆえん」なのです。


 もう少しお話して終わりにします。

 この経営手法がもたらすものは、「感動・共鳴・共感」

ですが、*今までのボウリング事業から発するものとは

全く異質で高度なものです。

 *消費者意識の成熟化、高度化、多様化が原因です。


 前提となるのは「深い経験」ですが、マーケテイングが

成功したときは、企業と顧客の長期的で継続的関係(ロイ

ヤリテイ確立)が強まるので、双方のコミュニケーション

による新しい需要が次から次へと生まれます。IT企業が

例外なく実施している提案型営業(サービス・マン訪問の

御用聞きスタイル)がその典型となります。


 
ボウリングの場合、深い経験の根底にあるものは「個人

の夢や欲求」ですが、顧客ひとり一人のニーズや夢は何か

、「ボウリングに何を期待しているのか」、スタッフはどう

応えるのか・・・などです
が、次回に譲りましょう。


 とにかく、「快適で楽しく過ごせるだけ」のボウリング

では、いまは結局 飽きられてしまいます。今なら、行政府

のスポーツ・キャンペーンに協力して培った人脈を頼りに、

年齢・性別を問わず、多数の地域の人々をセンターに招き、

種目の楽しさと有用性、「できれば感動できる部分まで」、

アッピールできるのです。


  みなさんのご意見を聴きたいですね。

  こんど、どこかでお会いしませんか?

                   以下、次号


図表:収益源のアン・バランス

 50年代に誕生したボウリング事業は、60年−70年代の大衆レジャー・ブームで

普及拡大したが、主に「若者中心の娯楽ニーズ」に依存する安易な経営であり続けた。

いま、急速な市場の縮小(原因:景気後退、任天堂wiiや携帯電話など新たな消費ア

イテム出現、若者人口急減、設備の陳腐化・老朽化など)に直面している。


1.現在の売上げ構造


2.新市場開拓でアン・バランスを解消


*人口減を補うものは、休眠中のキッズ(約1,000万人)と増加する

団塊の世代である。両者共通のコンセプトはスポーツであり、リピートを

うながす動機付けとなる。


 採算点は財務内容によって異なる。全盛時、ライネージ(レーン当り)

が40―50G台では倒産の危機がある(銀行筋の評価)とされていた。

 出典:「商業スポーツ概論」2008年 ケース・スタデイ 宮田哲郎

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