普及活動のページ レッツ・ゴー・ボウリング!

宮田 哲郎

(社)日本プロボウリング協会 (社)日本体育学会・体育経営管理部会員

第45章 

平成21(2009)年4月1日号

目次
第44章
第43章
第42章
第41章

第40章
第39章
第38章
第37章
第36章
第35章
第34章
第33章
第32章
第31章
第30章
第29章
第28章
第27章
第26章
第25章
第24章
第23章
第22章
第21章


第20章
第19章
第18章
第17章
第16章
第15章
第14章
第13章
第12章
第11章
第10章
第9章
第8章
第7章
第6章
第5章
第4章
第3章
第2章
新時代2
第1章
新時代1
はじめに

 新年度が始まりました。

 私の専門領域、文科省の総合型地域スポーツ・クラブ育成

事業が9年目を迎え、予算が「クラブ創設」から、「活動費」

助成に重点配分されると聞きますが、いよいよわれわれの力

が社会の役に立つ好機が来ているのではないでしょうか?


 また、「スポーツ庁」設置が発表される年です。

 元来は自民党部会から始まったプランでしたが、このたび

スタートした政府の『教育再生懇談会』の主要議題になって

おり、NHKはじめ新聞報道でみなさんもご存知でしょう。


 スポーツが文部科学省の手を離れて、独立行政府が司ると

どうなるかにも注目すべきです。少なくともボウリング業界

からすれば、場協会が経産省、JBCとプロ協会が文科省、

メタボは厚労省管轄と『縦割り』ではなくなり、活躍し易く

なると思われます。


 また、庁を設置すると同時に、半世紀近く前に生まれた、

少々時代遅れになった『スポーツ振興法』が新しくなって、

その実行プラン「基本計画と総合型地域スポーツ・クラブ」

構想も一新される運びになっています。


1、行政も地域もボウリングに期待している!

 総合型構想に参画するボウリングの優位性と欠点、地域

住民とクラブのためボウリング場ができること、なすべき

こと、してはいけないことなど、個人として範囲内で参画

活動と研究を続けていました。エリアは九州と中・四国、

関西のボウリング・センターと関係行政に、ボウリングの

可能性を問いかけ、参画活動を展開してきました。


 結局、200に近いクラブへ提案し続けてきた訳ですが

、同志として各地の研究者(主に大学の先生方)との交流

が生まれ、極めて有益、かつ好意的なアドバイスやヒント

をいただくことができました。同時に日本体育協会本部が

主催する全国講習会や日本産業学会や日本体育学会研究会

やシンポジュームに出講する機会も得られました。


 そこで私は、「ボウリング種目とボウリング場の機能」や

ごく少数ではありましたが進歩的なボウリング場経営者方の

お考えや正直な希望を講習会で披露してきましたが、すぐに

福岡県・熊本県・鹿児島県・奈良県の体育協会と教育委員会

などから度重なる出講要請があり、その後北九州市・福岡市

・岡山市・横浜市など、数え切れないほど多くの市町村から

招かれるようになりました。


 ここまで業界のみなさんの励ましと支えがなければ、やれ

ませんでした。いかに感謝しても仕切れないのは、私の意図

を疑いもなく支持してくれ、しかも『応援しよう! 総合型

地域スポーツ・クラブ」*パンフレットを作成して下さった

全公協JARBAのみなさんです。

 *伊藤会長・金子事務局長・理事の皆様方に、感謝々々!


 当初からこの構想に着目、社長応援団を結成して下さった

宮崎エースレーンの藤元良一社長、大濠ボウルと小倉ボウル

社長 上田康蔵さん、高松市の太洋ボウルと岡山のネグザス・

ボウル社長の樋口高良さんのお三方には、間違っても「足を

向けて、寝てはいけない」ほどお世話になっております。


 「大きな船は、急には曲がれない」ようです。

 業界に陰で批判している人たちがあると聞きながら黙殺、

営々と続けているのですが、ある組織から「県」単位で参画

したいが・・・と打診されました。今春、総会の議決を控え

ているので明かすわけにはゆきませんが、ついに来たか!と

喜びながら、なおよい仕事をしようと決意するしだいです。


2.業界の革新と新しい方向(図表)

 このコラムを始めた動機は、ボウリングを更に広めたいと

切望しているからです。あらゆる意味でボウリングは、実力

がありながら*不遇をかこっていると思っているからです。

 *参加人口で言えば、疑いなく社会的にもっともメジャーである!


 総合型構想の本質は、スポーツによる社会運動です。

このようなオープン・メデイアで私の考えを披露するのは

、誤解を招く危険がありますが、あえて申しましょう。業界

が社会のためになりながら再生を果たすことができるのです。




3.CSR:社会のためになりたい

 以上の図表は、マーケテイングの一般論ですが、私の考えで

基本となるのは、ボウリング場が行うべき社会貢献です。また

、業界中央(日場協やJBCなど)に課せられた仕事は、情報

発信源となってマス・メデイアと一般大衆に話題を提供する

ことでしょう。


 一方、地域に生きるボウリング場は、顧客のニーズ(属性に

よって大いに異なっている)細かく対応する、地道な*マーケ

テイング活動を営々と続けることですが、その根本に地域貢献

という理念が求められています。

 *中央の力に依存するばかりでは、「個の時代」に乗り遅れます。

 つまり、ボウリングを「個々の顧客」に、ピン・ポイントで

訴求するのです。ここでは、マス・メデイアより、ボウリング

場自身の力、地域における『顔と提案力』が効果を発揮します。


 顔とは、議員さんなどの偉いさんではなく、町内会やご近所

の世話役、総合型クラブ関係者のような『地域の有志』を指し

ます。総合型クラブ構想に地道に参画しているセンターなら、

地域活動を通して、ごく自然に備わってくる能力です。


 結局、無数の地域住民から『個を集める』のは、クラブ支援

による地域貢献という「大義名分と人脈」の力です。クラブの

関係者は構想の高邁な理念に共感して、ボランテイアで動いて

おられるのです。ボウリング場は社会貢献(CSR)という、

いまは社会常識となった経営理念を具体的に表明すべきです。


4.経営理念の再チェックは必要ありませんか?

 さて、マーケテイングの話に戻りましょう。

 頭にボウリングがつくと、よく分からんとおっしゃる正直な

方によく会います。ボウリング・マーケテイングの定義とは、

おおむね次の4段階の仕事を指します。

 @どのような価値を提供して、市場ニーズを満たすのか

 Aその価値はどうすれば生み出せるのか(図表)

 Bその後、いかにして顧客のもとに届けるのか

 Cそして、従来になかった新しい収入源を創出すること

 業界では、誰も挑戦しなかった領域なので、さぞ難しい

と思われるでしょう。ここは『普及ページ』なので、図らずも

CSRを持ち出しましたが、「自分だけよい思いをしたい人や

企業」に他人(地域の人々・顧客)が共感したり、贔屓したり

するものでしょうか?


 簡単な論理です。

 これからは地域に貢献することが少ない企業は、自然に肩身

が狭くなると思います。業界は原点に戻り、わが社の経営コン

セプトを再検討する時です。どうか、社長室の『額』をじっと

ごらんになってください・・・、だいじょうぶでしょうか?


6.言いたくはなかったが・・・

 ついでに、絶対に言いたくなかったことを、この際ですから

正直に言ってしまいましょう。業界には、マーケテイングを

「単純な営業、セールス行動と混同している人」が多いので

、仕事の振り出しから、私たちを「妨害する」ことが少なく

ないことです。


 妨害とは、「一所懸命やっているけど・・・、あれは、いつ

ゲーム代になるの・・・?」と周囲にこぼすことです。この

軽口が本人はもとより、会社にもたらす「災い」に注意して

欲しいと切に思うのです。

  *寡聞にして、本格的なマーケテイングで成功した人を、殆ど

  知らない。批判的な人は概して知ったぶりで判断が早急すぎる

  こと、一時的な対・費用効果を云々すること、もとより本構想

  の真意を理解できないか、しようとしない人だと断定せざるを

  得ない。


 そもそも、「単にモノを売る」セリングとマーケテイングには

、大きな違いがあります。*大企業は、この二つを「独立部門」

としており、それぞれの業務に専念させることは勿論、会議

すら一緒に行うことは「めったにない」とされています。

  *ドラッカー著「イノベーションと企業家精神」より。


 マーケテイングは、企業存続の重要案件(市場開拓・商品開発)

を担う知識集約業務です。入念な市場調査や販売経路の確保、

商品機能のチェックと改良、新商品の開発、適切な市場価格設定

などを担います。したがって、総合型クラブ開発プロジェクトは

、地域や住民の属性別ニーズに対応するボウリング再開発とPR

、セールスの人脈開発などがテーマになる重要な仕事であります。


 すでに「限界が見えている」ボウリング商品の再開発は急務です

が、どう考えても難しいのです。業界は、「1個のレモン」を絞り、

砂糖や炭酸水を混ぜて美しい器に注ぎ、「レモネード」に仕立てる

ことを怠っていました。1個60円が10倍の値で売れるのです。


 これが付加価値というものですが、いまからでも間に合うこと

です。みんなで営々と仕事をはじめましょう。昔『流行りモノ』

で始まったボウリングが、依然として若者に人気があるとしても

、実は単なる「仲間と楽しく過ごす」ためのツールでしかありま

せん。


 この節、若者の選択肢は無数にあります。

 仮に、いま新しい付加価値を世に知らせる努力を怠っていたら

(少なくとも今のままでは)、業界の存続は難しいでしょう。


 業界リーダーのみなさんは、組織・人事のあり方で議論を続けて

おられるようです。業界ガバナンスも大切でしょうが、ボウリング

という商品がもつ魅力、時代社会にあった性能や機能を生かす工夫

、PRの切り口などを再開発しようではありませんか? 

 合言葉は、「ボウリングを仕立て直そう!」ですよ。

                            以下、次号。再見!


 追伸 JBCホーム・ページに私のコラムを開設します。

     『ボウリング・ナビ』 BOWLING
 NAVI

 ナビとは、いうまでもなく『航海・航空』などを意味しますが、

 時流とボウリング(業界)について、ジャーナリステイックな

 話題を扱いたく思っております。毎月、更新する予定ですが、

 読後のご感想・ご意見などいただけたら幸いです。

 普及活動のページ「目次」へ 全国ボウリング公認競技場協議会「トップページ」へ