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宮田 哲郎

(社)日本プロボウリング協会 (社)日本体育学会・体育経営管理部会員

第50章 

平成21(2009)年9月1日号


二二の肖像 ルノワール 画
目次
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第5章
第4章
第3章
第2章
新時代2
第1章
新時代1
はじめに

7月末、2009年「レジャー白書」が刊行されました。

 ボウリング参加人口はマイナス6.4%の160万人減、売上げも

9.9%減で1,000億円を割りました。長らく続いた安定・成熟

期を経て、存亡の危機を迎えているのです。


 いまだに、これを不況の所為にする業界人がいるのが不思議です。

 真因は、人口構造の変化にあるからです。一流企業でさえも、若者

人口の激減に苦慮しているのです。


 8月末、衆議院総選挙が行なわれ、民主党が大躍進、自民党の大物

議員が多数落選しました。民主政権がスポーツ・レジャー業界の今後

にどのような*政策変化を来たすのか、見守りたいと思います。

  *[スポーツ庁]新設とスポーツ関連予算の配分など。


 
1.もっとも気になる数字

 さて、白書に戻ります。参加率はマイナス1.4%でしたが、最も

気になるのは、ここ3ヵ年間、10歳代から60歳以上までの全ての

年代でマイナス幅が拡大していることです。これが、「50年以上」も

続いた人気に[翳り]がでてきた兆しでなければよいのですが・・・。


 以下は、直近9ヵ年の参加率推移(3ヵ年ごとの平均値比較です。

 白書が刊行されてから25年間、私はずっと統計処理を続けています

が、このような数字を見たのは、ブーム終焉以来、初めてのことです。



 これは『飽き』がきた証拠ではないのか心配するのですが、杞憂で

あることを祈ります。しかし、業界はいち早く事業の定義を変えて

『スポーツ・コンセプト』で新規需要の開拓を進めないと間に合わ

ないかもしれません。勿論、遊び需要は温存して進めるのです。


 業界の悪口を言うつもりは毛頭ありませんが、いつまでも芸能人

や有名人の話題がPRソースではないかと思います。現在のように、

少ない予算で業界振興をはかるなら、国策に協力して、スポーツ・

ニーズの掘起しするほうが「対費用効果」でも*正解と思います。


 ただし、マス・メディア起用と私の持論のような地道な方向で、

両方やれるのなら、それが尚よいのですが・・・。


 2.10年来の「セールスの著作」がまとまった

 今夏、10年来研究してきた[ボウリング・セールスの本」やっと

まとまり始めました。ボウリングという商品の特性と動向、スポーツ

特性や社会的な有為性と評価などを実験して、セールス・ツールに

したものです。おりしも田中喜代次先生(筑波大学教授)が書かれた

「KAREI」(加齢・第3巻)が本当に役立ちます。


 タイトルは「セールス・プレゼンテーション」。

 副題は公的需要の開拓ですが、当分はJARBA関係の「セミナー

や社員教育」の参考書といたします。


 つぎは、本文からの引用です。おおやけの市場は休眠中です。

 そもそも業界の力でニーズを顕在化するなど、とても「無理」だ

と言われてきた領域ですが、実態はじつに巨大なマーケットです。



 お気づきのように、上記マーケットは、[電話予約を受けるだけ]

に終始してきたのです。ある支配人いわく「子ども会予約は、毎年

たくさんありますよ」というので、センター商圏内の子ども会の数

を調べたら、なんと1割も来ていないことが分かりました。


 とはいえ、今は人手が極端に少なく、行政や企業、地域社会まで

出向いて提案、誘致活動に励むセンターはまれです。私の調査で、

成功市場は[子ども会]が筆頭ですが、大規模に幼稚園・保育園など

を開拓した(愛知県カニエ・ボウル)のような事例は、見たことがあり

ません。


 いったい、地域市場に「プレゼン(提案)しない」企業は、我々の

ほかにもあるものでしょうか?怠惰としか思えません。ちなみに、

「マネージメントを発明した男」ドラッカーは、つぎのように指摘し

ています。


  現実1.結果や経営資源は、会社の外にある

     2.結果は、社内の問題解決ではなく、機会の探求から生まれる

     3.従って、ヒト・モノ・金を事業機会に投入しなければならない

     4.本当に意味ある成果を手にするのは、市場リーダーだけである


 ボウリング場の日常は、現場の問題解決に99%の時間が注がれ

ていますが、新しい息吹を感じ、そこに次なる事業機会、収益源を

育てる努力などは、完全になくなってしまったのです。


 公的マーケット開拓といえば、難しいどころか「おこがましい」と

批判する向きがあるようです。しかし、ふだんから行政と総合型構想

に協力しているセンターなら、ほとんど日常業務です。最近は東京都

や岡山県の総合型クラブ(スポーツ振興基本計画)は、知事の直轄事業

です。


 毎回申し上げることですが、「社会はまた社会の成員である。会社も

役所も社会の機関であり、それぞれの機能を果たすことによって、地域

や個人のニーズを満たすために存在する・・・」(やはり、ドラッカー)

ことを念頭において、休眠している巨大市場をみんなで開拓、*おりを

みては成果発表とノウ・ハウの交換をしたいものです。


  *これは、いまのところJARBAの仕事。「スポーツ庁」が、

   できたら、(社)日本ボウリング場協会の仕事になります。


 
3.プレゼンの本・もくじ

 ともあれ、JARBAの「総合型クラブ支援事業」で、営々5年

かけて開発したマニュアルや*テキスト類が活用されるよう、強く

望みます。いまから用意し始めても、間に合わないからです。


 ボウリング場は[待ち]の姿勢でやってきたので、新市場開拓と

いわれても「ちんぷん、かんぷんです」と現場の幹部社員からよく

言われます。かく言う私は現場出身ですから、よく分ります。


 これからは提案型営業にチェンジしないと将来が開けないのです。

 つぎはプレゼン本の「もくじ」です。元来、スポーツ(という商品)

は、通常の商品との違い「公共性」という側面があります。従って、

ボウリングのプレゼンも「公共性と時代性」を強く訴求するのです。




 
4.業界ビジョン・再考

 時代と社会に適合する業界ビジョンを再構築するときがきました。

 マーケティングの極意は、『相手の課題を見つけ、相手側の論理で

問題を解決する』ことです。行政とクラブのニーズをベースにして、

属性・目的別にプレゼン、ボウリングとボウリング場を利用する方法

を何度でも提示するのです。


 ボウリングとクラブはステーク・ホルダーの関係にあり、

互いにメリットがあります(図表)。ともに発展するために、知恵を

絞り、地域貢献に励みましょう!


  
結論!クラブ経由(地縁・人縁)で市場を深耕する

     以上の人たちと相互に、明らかなマーケティング・メリットがある

      1.人気種目の「体験会」でクラブPRと会員増強ができる

      2.競合対策として、新しく「公的な需要」の開拓ができる

      3.CSR「地域貢献企業」のステータスと信用が得られる



                   −装置産業からの脱却・次号へ−

 
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