普及活動のページ レッツ・ゴー・ボウリング!

宮田 哲郎

(社)日本プロボウリング協会 (社)日本体育学会・体育経営管理部会員

第52章 

平成21(2009)年11月1日号


朝 国吉康雄 画
目次
第51章
第50章
第49章
第48章
第47章
第46章
第45章
第44章
第43章
第42章
第41章

第40章
第39章
第38章
第37章
第36章
第35章
第34章
第33章
第32章
第31章
第30章
第29章
第28章
第27章
第26章
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第10章
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第8章
第7章
第6章
第5章
第4章
第3章
第2章
新時代2
第1章
新時代1
はじめに

 前号の続きですが、大事なことは繰りかえします。

 前回は、ある地域の業界会議の感想でした。会議は、日本人の

消費動向が*「ボウリングに限ってどう変化しているか」を全く

無視した[商業主義見え見え]の計画を議決しました。

     *前号で詳述しました。


顧客とのズレ

 業界と顧客のズレが生まれるには、歴史的な理由があり、それが

50年以上続いていると申しました。その後、多くの業界関係者から、

芥川賞作家日)は素晴らしか *開高 健のルポ(1963年 週刊朝

ったと聞きました。最近、新聞で作家の角田 光代さんも言っていると

読んだので、もういちど「おめに」かけましょう。


1963年 開高 健「日本人の遊び場・ボーリング場」より抜粋。

   「能率。明快。単純。豪奢。騒音。清潔。健康。広大さ。

   ジューク・ボックス。コカ・コーラ。ホット・ドッグ。

   こうまで徹底的に「アメリカ」でおしまくられたら・・・

   (後略)。明るく広大、賑やかである。健康にもよろしい。


   よほど運動音痴も食いつける。チームを組んでやらないと

   面白くないから、孤独の鬼気も射さぬ。いいことばかり。


   そこで、家族ぐるみ、店ぐるみ、会社ぐるみ、バーぐるみ

   で繰り込もうということになり、健全娯楽、コカ・コーラ

   と「棒組み」になって、日本特産の膨張衝動に助けられて

   このボウリング場というもの、大流行のきざしがある

   ・・・」


 要約すると、ボウリングは生活文化の象徴、場が健康広場、人々

の社交場、絶好のコミュニケーション・ツールであり、将来は最高

の商業アイテムになると喝破しました。開高は現代マーケテイング

論に劣らない、的確な「予言」をしたのです。


 いいかえれば、ブームは業界が思いこんでいるように、商業的で、

薄っぺらな仕掛けで生まれた訳ではなく、じつは「日本人の文化的

欲求に基づいて」おり、ブーム発生に10年 以上もの長いリード

・タイムが必要だったのです。いま、顧客と業界行動の本質的ズレ

は、ここから生まれていると思います。


 
事業の定義を再検討したい・・・

 ニーズが複線化すれば、事業の定義も変ります。

 また、業界に『メデイアへの仕掛け』が足りないという人が多い

のですが、今までどおり有名人・芸能人の軽い話題を提供する方向

や過去のプロ・ボウリング・スターばかりなら、時代遅れを感じさ

せるばかりではなく、むしろ「逆効果を生むのではないか」と危惧

している経営者が多くなっています。


 理由は、前述の社会的背景が生まれつつあるからです。

 リリースもスポーツ部よりも「社会部や家庭部」の方が、ずっと

取材されるチャンスがあります。社会的話題となるボウリング行事、

業界提案のリリースが増えるからですが、非常に大きく報道される

局面(時代背景)にあります。


 還暦まじか、体も心も疲弊した業界の前に、日没の経済があり

ます。客は来るもの、不況はいつか去るもの、いつか成長時代が

来ると思っている現場は人手不足が手伝って、地域に打って出る

集客を長く怠っています。


 いま事業の定義を見直し、経営のパラダイム・シフトをはかる

時期です。そして、地域に眠る『おおやけのボウリング・ニーズ』

を顕在化すること、これが再生の鍵です。経営者を中心とする同志

が集まって戦略を立て、地域のボウリング・コンセンサスをつくり

、顧客を増やすのです。


 
生活文化として普及させたい・・・

 日本文化は概して若年の文化だといわれます。

 テレビを見ると、芸能でもスポーツでも10−20歳代が『花』

のようですが、「幼い技ばかり」で芸術レベルにある人は稀です。


 電車に乗れば、日本人はテレビと週刊誌、(スポーツ)新聞しか

読まないことがわかります。ものごとを深く考えていると、時代に

乗り遅れると思うのか、プラグマテイズムの誤解があるのでしょう。


 ボウリングという素晴らしいスポーツを、生活文化向上の一助

にしたいと心から思います。大きく普及させるには「しっかりと

した根を植える」ことが最も大切だと思います。いつ美しい花が

咲き、うまい実が『結実』するか、ボウリング『樹木』は、前例

がないので分かりませんが・・・。


 また、花だけ切り取って(売り歩く)人にはなりたくないと

思います。もともと花は、遊びと暇潰しなど、競合が多い需要

です。一方の根は、年齢・性差で程度と方法が異なるスポーツ

と考えます。花は、いくら栄養と水を与え続けても、必ず枯れ

ますが、根は枝葉を生やし、「花となり、結実」するのです。


 遊びは一過性が強く、いつも、いろいろと競合が登場します。

 スポーツなら奥が深く、繰り返して飽きることがありません。

 若者人口が急減しているいま、ほんもの志向のシニア世代に、

スポーツ・コンセプトが有効である事は誰でもわかるでしょう。


総合型クラブとボウリング場


 *地域を構成する最小単位である家族には、総合型クラブ人脈が強い影響力を持って

いる。また、学校とクラブは体育スポーツ行政の管轄下(文部科学省)なので、学校

ボウリングの実現に力がある。               以下、次号。

 
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