普及活動のページ レッツ・ゴー・ボウリング!

宮田 哲郎

(社)日本プロボウリング協会 (社)日本体育学会・体育経営管理部会員

第55章 

平成22(2010)年2月1日号

少女 織田廣喜画
少女 織田廣喜画
目次
第54章
第53章
第52章
第51章
第50章
第49章
第48章
第47章
第46章
第45章
第44章
第43章
第42章
第41章

第40章
第39章
第38章
第37章
第36章
第35章
第34章
第33章
第32章
第31章
第30章
第29章
第28章
第27章
第26章
第25章
第24章
第23章
第22章
第21章


第20章
第19章
第18章
第17章
第16章
第15章
第14章
第13章
第12章
第11章
第10章
第9章
第8章
第7章
第6章
第5章
第4章
第3章
第2章
新時代2
第1章
新時代1
はじめに

 正月にはプロ協会の「セカンド・キャリア」プランを立案、

東京場協会(城北支部)から依頼された[レッツ・エンジョイ

・ボウリング」編集と校正、新年度の[総合型地域クラブへの

提案書]を起案するなど、デスク・ワークで忙殺されました。


 嬉しく楽しいことがありました。友人が5センター経営会社

の社長に就任、長らく業界から離れていた感想を聞き、さらに

私のような者の考えを聞いてもらう時間がありました。ずっと

前から、ボウリング・マーケテイングにいろいろな疑問を持ち

、他業界の経験者の考えを聞きたいと思っていたからです。


 
1.私の意見

 貴重な「いっとき」を思いながら、書き出してみます。

 過去50年、業界は顧客との「ズレ」に気がつかないで来た

ような気がしています。


 ブームのとき、顧客は時代の流行に身をゆだねて独特な浮いた

気分で、ボウリングを楽しんでいました。その後の業界は、接客

いちばんとか言って済ませてきましたが、右上がり時代の安易な

マス・マーケテイングをくりかえしてきただけのことでした。


 しかし、さすがのボウリングも遊びとしてはやや、古びて来て

おり、いまの若者は、「友達つきあいの便利なアイテム」として

来場する方向に変ってきています。それはそれで結構なことです

が、大量消費に飽きた大衆は、成熟化・高度化して「個の嗜好」

に変ってきているのです。


 つまり、ボウリングという商品がしだいに「コモデテイ化」の

一途を辿っているのです。[新鮮さのない、そこら中にあるもの]

となりつつあり、現在はあのWiiなど電子ゲームや携帯電話と

も競合している(最終ページ)のです。


 かくして、だんだんとマス・マーケテイングには馴染まない、

遊びアイテムに堕しており、このままボウリング事業を続けると

すれば、限界が見えて来ました。実際の数値で「限界を知った」

のは1992年前後で、ここを境にして業績は続落中です。


 
2.発想の転換(1)

 長いあいだ、ボウリングに新しい価値を見つけることが大切と

思い、「付加価値とは何か」と親しい常連さんの行動を観察、学会

で知り合った研究者の話に耳を傾け、勉強を続けてきました。


 結局、それが「スポーツ・コンセプト」にあること、それには

ボウリングがスポーツでなければ仮説も立てられないこと、誰が

やるかといえば市場開拓を含めて「自分がやってやる!」と決心

しました。それから20年、かなりしつこくやってきました。


 私の考える付加価値とは、人気種目の「利点と特性」を生かして

地域のボウリング・キャンペーンをやること(ここで散々言って

いること)です。そして「体育・スポーツ行政にPR」する実技

(?)にとりかかって、10年たちました。


 仮説を信用(?)してチャンスをくれたのは、あの日本体育協会

ですが、総合型クラブ育成アドバイザー本部講習会に起用されたの

でした。ここで*たくさんの(都道府県)アドバイザーと知り合い

になり、「仮説を実地検証する」ための人脈を得たのです。

 *数えると20の道と県ですが、都と府はこれからです。


 一方で、地方にある単一のボウリング場は、どうするのか?

 私にとっても、ここが問題でした。「金儲け」で参入してくる企業

も予想できる上、ごく少数の経営者しか知らない私には難問でした。


 しかし、R1社のように[擬似スポーツ・ゲーム]や電子ゲーム機

を揃えて、若者や家族の娯楽需要を吸収する経営に憧れる企業が多く

、地味な戦略に注目する企業はいまも少数です。しかし、あきらめな

ければ、かならず道は開けると信じています。


 このように、商品価値が変質しているボウリング場経営の課題は、

「新しい収益源を見つける」ことです。しかし、その施策は業界中央

にコンセンサスを育てないと全国展開とはならない悩みがあります。


 
3.発想の転換(2)

 今は業界中央に依存せず、県や市の単位でボウリング場が結束して、

新しい市場開拓にとりくむことです。その意味で、大金を要するマス・

コミ対策は、ほとんど不要です。その代わりに、「くちコミをつくる」

政策をとるのですが、体験マーケテイングが突破口になります。


 更に、徹底的に「消費者目線で付加価値を見つける」ことです。

 わたしの結論は[スポーツ・ニーズ]ですが、キャンペーン文言

や属性・目的別のテキスト、販促マニュアルなど、ほとんど完全に

整えました。また、現場で役立つのは、当然プロ・ボウラーですが

、全国に700人ぐらいは居るでしょう(在籍1千人)。


 プロ協会はやや出遅れていましたが、私の提案が今年から政策の

俎上に上がり、インストラクター部会がセカンド・キャリア(仮称)

計画と名づけて、準備を始める方向です。


 プロたちの確かな投球技術をベースに、どうしたら「ボウリング

で地域社会に貢献できるか、センター収益源をつくれるか」など、

マーケテイング手法を含めた業界が渇望する内容で整備します。


 
4.事業の限界について

 ところで、ブーム以降ボウリング場が単体で[人を集める]こと

は、依然 難しい現状があります。原因は、従来のボウリング場が

「地域に顔を持たない」からですが、これが事業の限界をもたらし

ています。


 仮説検証で判ったことは、誠心誠意、国策に参画することは結局

地域の信用をもたらします。つまり、「集客の人脈」に近づけます。


 かくして、地域の顔役に「ボウリングの経営理念」をぶつけます。

 当然、金儲けや売上げを期待するばかりではできない相談ですが、

健全かつ長く適性利益をもたらすマーケットを開拓するなら、当然

のことでしょう。


 クラブとボウリング場、行政は(win=winの関係)です。

国策に参画するセンターは、わが社は[地域に貢献する企業]だと

標榜できる政策をとるのですが、地域の社交場としてのステータスを

獲得する近道であることは自明の理です。


 事業の限界を「予見できる」ものは、もうひとつあります。

世情を勘案すると、事業の競争条件は「出しもの」だと思います。


 [リピーター]を増やしたいと願うのなら、[広義の]スポーツ・

ボウリングを売りにする!ことです。広義というと判りにくいですが

、純粋な競技スポーツと遊びの中間にあるスポーツとボウリングを定義

して、新しい普及コンセプトを完成させることです。


 
5.事業の本質(ここは、再録)

 昔のように予算があれば幾らでも設備をリニュアル、若者好みの派手、

ハデ環境を整え、大音響の音楽や奇怪な電子音で場内を満たすやりかた

も「あり」ですが、私なら時間帯や曜日、行事の性格や来場する顧客層

に合わせて、自由奔放にスイッチするでしょう。どうも単細胞の発想が

横行しているような気がすることがあります。


 要約するとボウリングは生活文化の象徴、場が健康広場、地域社交場

、絶好のコミュニケーション・ツールであり、最高の商業アイテムです。

 過去の業界のように、商業的で薄っぺらな仕掛けで経営する時代では

ないのです。顧客と業界の本質的なズレが生まれないように、関係者は

細心の注意が必要です。


 
6.事業を再検討する

 需要が複線化すれば、事業の定義も変ります。理由は大衆の消費指向

やとりわけ若者の選択嗜好など、背景が激しく変化しているからです。


 客は来るもの、不況はいつか去り、ふたたび成長時代が来ると思って

いる現場は、人手不足があり、地域に打って出る集客を怠っています。

 事業の定義を見直し、「経営のパラダイム・シフト」を図りましょう。


 そして、地域に眠る『おおやけのボウリング・ニーズ』を顕在化する

ことが再生の鍵です。経営者が集まって戦略を立て、地域ボウリング・

コンセンサスをつくり、顧客を増やすのです。


 ボウリングという*カジュアルなスポーツを大きく普及させるには、

「しっかりと根を植える」ことが最も大切です。いつ、美しい花が咲き

、うまい実が結実するのか、ボウリングの木では前例がないので分かり

ませんが。 *気張らない、身近なの意。ピュア・スポーツの対比。


 根は、年齢・性で程度と方法が異なる、カジュアル・スポーツです。

 花(ピュア・スポーツ)はいくら栄養と水を与え続けても、必ず枯れ

ます。しかし、根っこ(カジュアル・スポーツ)は枝葉を生やし、花を

咲かせ、結実します。

 
7.いま起きている、激しい競合

 

 1.異業態か同業との競合

  例 ― ラウンド・ワン


 2.突然、現れる 異業種 競合

  例 − ゲーム機 Wii

      携帯電話


考察 (1)提供するものの価値や価値観の違いが勝敗を決める。ボウリング事業は、

       1.一把ひとからげのマス・セールスが、通用しなくなっている。

       2.守りに入れば、かならず「安売り」に走り、体力勝負になる。


    (2)先発したボウリング企業の業績が依然として続落中。経営 環境の変化は、

       1.人口の高齢化で、ボウリング好きな若者人口が万 単位で激減。

       2.長い不況、政治と雇用不安が消費者マインドを冷却。一方で、

       3.後攻企業は、続々、斬新で多様な「遊びメニュー」を提供中。


   (結論) 消費の成熟化、設備老朽化、業界のマンネリを正さなければならい

       1.単一商品(遊び)とマス志向の企業は、いずれは消滅する。

       3.R1社は「ITネット対戦」を始めた。遊びから脱皮、地域

         需要の開拓(キッズと家族、シニアなど)を必ず始めるだろう。

       3.三世代の交流、「家族動員とリピート率アップ」など、市場を

         深く耕す作戦を国策参画を通して展開するしか、選択肢はない。


 
8.異業種・異業態・同業の競合に勝つ!

      1.消費者の視点で、完全に新しい商品を開発・投入する

      2.従来商品に「新しい価値を付与、集客手段を整え」て

       、あらゆる手段を使ってプロモーション展開するしかない


      *自社都合(企業理念)や昔の成功体験・価値観は捨て去る

        @何より消費者目線で、人々がボウリングする理由を突止める

        A遊びのほかに「教育的・学習的な価値と楽しみ」を付加する

        Bこれが、長い競争優位性の維持と健全で多様な収益源となる

                                    また、来月・・・。

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