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宮田 哲郎

(社)日本プロボウリング協会 (社)日本体育学会・体育経営管理部会員

第56章 

平成22(2010)年3月1日号

アン ティ・ウォーホル画
アン ティ・ウォーホル画
目次
第55章
第54章
第53章
第52章
第51章
第50章
第49章
第48章
第47章
第46章
第45章
第44章
第43章
第42章
第41章

第40章
第39章
第38章
第37章
第36章
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第5章
第4章
第3章
第2章
新時代2
第1章
新時代1
はじめに

 来月は文科省「スポーツ振興法・スポーツ振興基本計画」10ヵ年

の最終年です。じつは、振興法を更新する作業が進んでおり、新しい

基本計画が施行されるのですが、新政権では予測がつきません。


 民主党は地域志向と聞きますが、体育・スポーツ行政については、

どうでしょうか? もともと、色々な尺度がある効果測定ですから、

あの「事業評価」のようであっては、困ります。仮に、政権の価値観

が「株式会社の尺度」のように、実に気の短いものであったら、壮大

な計画が頓挫する危険があります。


 私見ですが、行政は「人が相手」ですから、日本人のスポーツ観を

生活文化まで引き上げる政策が、僅か10年で評価できないと思うの

です。今月は、ボウリング場経営の特殊性について考えてみることに

しましょう。


 価値観がずれていないか?

 この10ヵ年、業績は続落中です。「不況のせいだ、若者がボウリ

ングに飽きたのかも」と言う人がいます。前の説は正しく、後者は

ちょっと違うと思います。


 親しい学生たち(マーケテイング専攻)に聞くと、商品アイテムと

しては徐々に「コモデテイ化」が進んでいるが、依然、楽しみの定番

とのことでした。現場ウオッチの私は、なかまと楽しい一時を過ごす

選択肢かと思っていましたが、結構はしゃいでゲームに一喜一憂して

いる様子に安心しました。


 ところで、教育学部を人間関係学部と改題した大学が多くなったと

思いませんか?私は「教育とは人間関係」だと昔から思っていました

から、腑に落ちるネーミングです。

 その(市場論を学ぶ)若者が言うことは、なるほどと思います。

 つまり、ボウリング場には一見さんと思われる人に「提案がない」

、あるのは「ゲーム料」の案内とひとにぎりの「会員サービス」だけ、

挨拶すら面倒くさそうに感じるそうです。


 これを「接客教育の欠陥」と捉えるのがふつうのようですが、私は

根本は経営コンセプトのまちがい、ボウリングの価値観がずれている

からだと断じています。少し深刻に考えると、経営自体に次のような

考え方の違いが(経営者や幹部社員に)あるのではないでしょうか?


 
ドラッカー先生に学ぶ

 生誕101年、著名な経営学者P.F.ドラッカーの珠玉の著作は

、経営者のバイブルです。不況下の戦略、不振にあえぐ事業の再生を

考えるとき、みながひもとく*福音書です。


 *ドラッカー「企業の目的は、利益の追求ではない。利益は「将来をつくる

 原資(投資)」だが、利益追求だけを目的にすべきではない。ヒトは生きる

 ために呼吸するが、呼吸することが人間の目的ではない・・・。」


 先生は、企業で「最も大切な目的は、顧客の創造である」と結んで

います。今日,明日の資金繰りに悩んでいるときは、聞けないことば

ですが、きょう顧客の創造に励まないとあしたはないのです。


 思えば、90年代バブル期から利益追求型の経営が流行っています。

 大規模に株を発行、株主利益還元を最重視するボウリング場はR1

だけ(間違っていたら、ごめんなさい)かなと思いますが、企業統治

の基本を「ごく短期間に資本回収」したいとする考えは、結果として

「消費者とのズレを生む」ことが非常に多いのです。


 日航やリーマンの株を持たない、貧乏かつ幸運な私の考えですが、

企業と長期的コミットメント(関与)を持たない投資家(先生の言う

投資家は、株の売買で利益を上げる人々)が企業統治の主役になると

ろくなことにならないのです。先生の本は「聖書」ですから、いま

資金繰りになやむ向きには理想論かもしれませんね。


 企業の目的は顧客の創造ということばに従えば、不況下でも成長

戦略は構想できる。もっとも、成長機会は見つけるものではなく、

創造するものだから・・・(日経新聞・加護野忠男 神戸大学教授)。

 個人的な考えですが、ボウリングを長く・広く普及させる手法が

マス・メデイア利用しかないと考えるわけには行きません。単純に

「消費だけを連想させる」欠点が、どうしても拭えないからです。


 
顧客創造の原点に帰る

 かんたんです。一番人気のボウリングをもっとたくさんの地域の

人達に体験していただくことが創造の出発点です。


 本コラムを読まれて、自費で長くスポーツに親しんだ経験がある

人なら、お分かりでしょう。まず体験すること、家族やなかまで、

楽しく体験することが顧客創造の原点です。


 とはいっても、ボウリング場(ごとき)が呼びかけても、大衆が

動くわけはありません。人々にうけとめられ、「理解と共感を生む」

原点は地域貢献であり、総合型クラブのような高い価値観をもつ、

社会運動に励む方々を大いに応援することです。


 クラブのかたがたは、基本的に利潤を追求していません。

 あるのは高い理想とボランテイア(犠牲の精神)ですが、地域

に生きるボウリング場やゴルフ(練習)場なら、経営的に許される

範囲で協力すべきです。


 問題は、イベントの指導者、例えば実質700人以上いるプロ・

ボウラー(教室の指導者)です。今年から、プロ協会のインストラ

クター部会に*提案中ですが、地域社会に貢献する仕事とは何か、

プロに必要な考え方とスキル、協力体制など、実務力を大幅に向上

させます。


 更に、JBCには地域指導者がおられますが、高度な職業人として

商業スポーツ施設で働く(下図)プロ・ライセンサーが業界の期待

を一身にになうべきだと思っています。では、また来月・・・。


                                

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