普及活動のページ レッツ・ゴー・ボウリング!

宮田 哲郎

(社)日本プロボウリング協会 (社)日本体育学会・体育経営管理部会員

第58章 

平成22(2010)年5月1日号

オランダ・アムステルダム市内で
オランダ・アムステルダム市内で
目次
第58章
第57章
第56章
第55章
第54章
第53章
第52章
第51章
第50章
第49章
第48章
第47章
第46章
第45章
第44章
第43章
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第41章

第40章
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第6章
第5章
第4章
第3章
第2章
新時代2
第1章
新時代1
はじめに

 年度が変る直前のある日、プロ協会に激震が走った。

 女子プロトーナメントを運営する新しい組織の出現である。一般

社団法人(東京都新宿区認可)となり、業界周知の事情でプロ協会

と対立する方向で運営するとのうわさがとびかったのである。


 4月1日、協会の理事会は、組織に深く関わったプロを除名処分

することを決議した。本コラムで詳細を明らかにすることは避ける

が、原点を省みると一般常識として「先に迷惑をかけた」方が悪い

ことを忘れてはならない。


 しかし、公益法人と争うとまで言い募っていると聞けば、これは

相当な覚悟であり、将来も長く対立した形で終わらせては、双方に

悔いの残る結果を招くと思う。私見ながら、先方に十分な理がある

ことから、一日も早く面子を捨てて、話し合うことが大切である。

 現実は、どうであろうか・・・。


 さて、今回は過去半世紀を振り返り、プロ協会やボウリング事業

のありかたについて、考察を加えてみよう。


(1)市場開発の歴史

図表1.ずっとマス・マーケテイングが続いた理由 
図表1.ずっとマス・マーケテイングが続いた理由 


問題点1.過去50年、現在に至るまで年間の来場回数はたったの「4−5回」

       ⇒ BPAJの「5,000万人キャンペーン」は誤解されている

         リピート率アップと言うネーミングの方がよいと思うのだが・・・

      2.事業環境(若者減・シニア増)悪化と進むボウリングのコモデテイ化

     3.大量消費時代のマーケテイングは、費用の割りに効果が長続きしない

       現在のように属性別に訴求する場合、「大まか過ぎて」不適当である


(2)30年の空白が残った!

 疾風怒濤の大ブームのあと、業界が息を吹き返した原因は、19

78年に登場した自動スコアリング・システム(AS)であった。

ASを導入したセンターは内外装を一新、高性能コンピュター機器

の斬新な魅力と「1,000円レジャーの割安感」が人気を集めた。


 業績はうなぎのぼり、レーン当り5,000円から、5年後には

2倍の10,000円台まで急伸した。ここに「ボウリングは装置

産業」と呼ばれた所以があるが、バブル景気がはじける90年代の

後半まで、「50円または30円」も値上げする荒っぽい料金政策

も通用した。営業現場は「やってくる顧客を接待するだけ」に明け

暮れて、面倒で長期的かつ専門的な能力を要する顧客開発の方は、

まるで忘れていた。


 好事、魔あり。

 強い人気が続いたボウリングをTVメデイアに乗せる他力本願的

なマス・セールス手法に頼って、支配人会議の主な話題は景気動向

「祝祭日の日まわり」に集中した。業界のガバナンスは重要だが、

長引く不況と政治不安、ASに匹敵する魅力的ハード・ウエアも

登場しない現在、「空白の30年」が更に長引くであろう。


(3)スポーツの公共性と社会性

 しかし、ASは単なる機械であった。

 しかも、マス・マーケテイング手法は、すでに終っている。


 業界は娯楽・暇つぶし程度の需要動向ばかりを気にせず、人気

に明らかな「翳り」が明らかになる前に、「商材に新たな魅力」を

加えるパラダイム変革にとりかからないと絶対に間に合わない。


図表2. スポーツの公共性と社会性・ボウリングの位置づけ


(4)開発が生命線!

 JBCは会員にリアル・スポーツを楽しませているが、ボウラー

開発は十分だろうか? センターは、名刺を持ってセールスに出る

ことは、概しておろそか、ジュニア戦略も「地元人脈とのつながり」

が十分だとは言えない(業界批判をしているのではない)。


 かのドラッカー先生は、事業の定義とは利益を生むばかりでなく

「需要をつくること」と喝破した。しかし、現場は利益誘導の経営

に走っており、顧客開発に汗水たらす人に会ったことがない。


 半世紀もボウリングで生きてきた私個人は、体育・スポーツ行政

に働きかける(体協や学会など)こと、現場のノウハウ開発と技術

移転しかない。今春はプロ協会A級インストラクターから、*高度

な職業人をつくる講習会で、「キャリア・アップ」の専門技術の移転

を始める。経営者のみなさんや支配人など、幹部社員も共に働いて

いただきたいと切に思う。





1.プロと呼ばれる者は、高度な投球技術のほか、ボウリング

業務(現場)の専門分野を少なくとも一つ以上もっている

       ex.設備(メカやレーン・メンテ)、プロショップとドリル、

         営業(開発・渉外)とコーチング活動、財務・総務など。


2.更に、初心者指導ができる(B・C級インストラクター)

      ex.@10時間(2時間×5回)の指導計画を作成・実行する

         A初歩の投球指導とスキルの科学的な根拠を理解している

         Bボウリング・クラブの計画を立案・指導と運営ができる


3.センターと地域の関係などスポーツ社会学の認識、種目の

 医・科学知識がある。そして、体育・スポーツ行政の政策に

 進んで協力する(マスター・A級で必須、下記のB)

      ex.@ [スポーツ振興法]文部省と体育・スポーツ国際憲章

          ユネスコの精神を学び、地域社会をベースに行動

        A スポーツ発展史(ボウリング史)や国のスポーツ政策

          (スポーツ振興法と振興基本計画)の知識と行動

        B 「総合型地域スポーツクラブ」の理念を理解・協力

          (文科省・日体協、 2,900クラブを超える)

        C 学校体育ボウリング・カリキュラムの普及に努める

           (総合型クラブと共同で行なう・主に高等学校)


 要点:業界の現状と将来について、プロとしての立場を認識、

  行動する動機付けを行なう(上記の3が中心となる)。


 事業は、若者の娯楽需要のほか、休眠しているスポーツ

需要など[まったく新しい収益源]を開拓できないとすれ

ば、将来の存続がほとんど許されない状況にある。

                  また、次号で・・・。

        

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