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宮田 哲郎

(社)日本プロボウリング協会 (社)日本体育学会・体育経営管理部会員

第61章 ボウリング事業の成長と草の根運動 

平成22(2010)年8月1日号

いるかショー
いるかショー
目次
第61章

第60章
第59章
第58章
第57章
第56章
第55章
第54章
第53章
第52章
第51章
第50章
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第3章
第2章
新時代2
第1章
新時代1
はじめに

国の成長は経済成長率GDP(国内総生産)の伸び率で、会社は売上高の伸び、シェア

の拡大、財務安定度、社員の増加などで示される。ここ10数ヵ年、続落している業界に

成長は望めるのか、果たして「この業界に、将来があるか」と聞く、若く有為なプロや支

配人に出会うことが多い。


 業界の先輩として格別な責任がある、なしは別にしても、ボウリングが「瀕死の状況に

ある」ことを看過するわけには行かない。じつは、暇つぶし、ストレス解消、親睦程度で

楽しまれているボウリングに、「おおやけ」という巨大なニーズがあること、いまが潜在

需要を掘り起こすチャンス(法の整備・後述)があるのです。


 (1)続落している理由

 横溢している閉塞感の原因は、不況と人口構造の変化でしょう。ボウリングを好きな

若者(10−20歳代)が約280万人減少したことですが、参加率が40−50%の

需要層だけに、ボウリング産業を直撃しています。


 また、業界のマンネリが原因でもありましょう。現場はやってくる顧客の受付と清算

業務だけ、「リピートの仕掛け」もなく、逆に何かと言うと「意味もなく招待券や優待

券をばらまき」、ある地域では、安売りの体力勝負もはじまっています。


 過去30年間、年間の来場回数が「4回から6回未満」に留まり、「単純な遊び」需要

で、参加人口を誇示しながら、リピート率向上に目を向けなかった業界の怠慢がせめら

れるでしょう。ここで「ワンモア・ゲームの仕掛け」など、プロ・ボウラーはじめ現場の

皆が知恵を出すときでしょう。


 (2)限界産業の道を回避する 

 装置産業と揶揄されながら、「テレビだのスター誕生だのと」およそあてにならない

寝言を言い、毎日の顧客の開発をないがしろにしている業界に将来はない。少し調べれ

ば、市場変化に強い企業は、大胆な「事業構造の転換」に挑戦していることが判ります。


 そのような企業は変化の予兆に敏感で、「売上げ伸悩み ⇒コスト・ダウン⇒客離れと

売上減少」の悪循環を先取の精神とさまざまな工夫で回避している。ボウリングも現在

も依然として「遊び需要が生きている」あいだに、地域に眠る公的スポーツ需要を顕在

化する草の根運動を続けることが構造転換であり、収益の複線化につながるはずです。


 乏しい人材、地域人脈もなく、ノウ・ハウの蓄積もない企業は、新市場進出は難しい

が、あえて挑戦しなければ存続はできない。人口減と不況に囲まれては、社内に成長源

は全く存在しない。どんなによくしても、従来業務の改良は事業を向上させられない。


 複線化のキー・ワードは地域であり、個人の属性・希望にあったスポーツを提供する

ことである。地域社会の最小単位、家族を動員する仕事が最優先するが、未就学児童と

保護者がターゲットであるが、地域開拓は業界が一体化して行なうべきことである。


 また、「ジュニア開発」と言うが、いままでのようなイン・センター・セールスと顧客

不在の企業理念見え見えでは通用しない。ボウリング場は自力で地域集客はできないの

で、社外の「だれか」とコラボすることを考えるが、理想は行政と総合型クラブと断じる

ことができる。


 何故なら、三者が求めるものに共通点があり、理念も共通である。必然的に互いのニ

ーズに見合った提携内容となるが、前提として企業に「地域貢献CSR」思想が不可欠で

あることは言うまでもない。


 正直言って、これは6−7年前までは「私の仮説」であった。しかし、いまは状況が大

きく変り、直近は大阪府が「ボウリングをやりたい・やらせたい」(表)と言ってくる

ようになった。先に事業変換と言ったが、公けの機関が望むボウリングは、より「上位

の概念」に基づくものであり、楽しみ方である(過去59回も言い続けた)ことを改め

て考えて欲しい。


 思えば、心ある経営者たちが長く私を信用し、行く先のわからない仮説をずっと支援

し続けてくださったことに感謝しないでいられない。しかし、こんごは儲かるぞと参入

するボウリング場が増えてくるだろうが、調整は全公協JARBAの仕事である。願わ

くば、クラブ自体が「良質のサービス」を提供するボウリング場(行政の理念を理解し、

協力する)を選んでいただきたいと思うが、恐らく判断の基準に困るだろう。


 (3)地域振興の決め手

 ところで、昨年まで自民・公明両党主導で進めていた「スポーツ振興法」の抜本的な

改訂と「スポーツ庁」の新設計画が政権交代で頓挫している。スポーツ法研究会で入手

した資料に、「国はスポーツ振興のため、スポーツ産業・事業者と提携を進める」とす

る意味の条文があり、ゴルフとボウリングなど商業施設経営者には、大いなる力となる

画期的な事項である。


 我国スポーツが学校体育中心で育ち、地域スポーツ(社会体育)までその「わだち」か

ら離れない弊害がこれでしだいに霧散する。聞けば、民主党が独自案を準備中とのこと、

馬鹿もよい加減にして欲しいと思う。無駄!である。国の将来を決める案件を「国費を

使って」特定党派で独占する理由など、どこにもない。


 地域を構成する最小単位は家族である。家族でも就学前児童と保護者を動員すれば、

祖父祖母も一緒に動くことは自明の理である。サッカーでも野球でもなく、誰もが一緒

に楽しめる種目、ボウリングやゴルフで公けの仕事に協力、地域住民に貢献するのです。


 去る7月にいただいた大阪府からの提案(下表)は、仮説とロビー活動が正しいこと

をふたたび示してくれた。地域振興とボウリング組織の仕事を確認、さらに活動を強化

しようと決心したところに神奈川県JARBAからオフアーがあり、できれば大阪府の

やり方を踏襲して欲しいと切に思っている。


 われわれの提案を実現するには、都道府県の総合型クラブ育成アドバイザーの決断が

前提となるが、すでに大阪と同じ研究会を北海道・福岡県・熊本県・鹿児島県・宮崎県・

岡山県など16道府県で実施した経緯がある。そのため、資料やテキストやマニュアル

など公的需要に対応するボウリング資料を26種も作成して、実地検証をくりかえして

おり、あとは印刷教材にするだけとなっている。


 
(4)ボウリングの「公益」とは、何か?

 数年後、日場協は再び公益法人を目指すと聞く。ボウリングとボウリング場の公益と

は何かを、機会があれば聞いて見たい。わたしが聞きたい理由は、ただひとつである。


 いままで経営者組織が国策に関心を示さない(全く協力しない)ことの真意の在り処で

ある。経営者組織は経産省、ボウラー組織は文科省とかいいながら、なぜ顧客開発に多

大な影響があり、草の根を生やす動き(総合型クラブ)の支援に無関心でいられるのか、

いったい「公益とは経営に役立たない」ことなのか、ボウラー団体や役員に遠慮がある

のか、私にも心ある(地方の)経営者方にも理解不能となっているからである。


 業界の不振を解決する大事なことであるから、あえて問うのです。とはいえ、日場協

には私のような者でも多大なご恩があるので、このような場所で言い出すのは適切とは

思いませんが、業界発展に欠かせない重要事項であり、皆が力を会わせて将来の利益を

共有したくて申しているのです。


 
(5)大阪府体育協会の総合型地域スポーツ・クラブ研修会(案)


大阪府体育協会の総合型地域スポーツ・クラブ研修会(案)
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