四家秀治の「ナイス!ピンアクション」−2

  第1回

●歴史的快挙

 今となっては少々古い話題ですが、昨年のジャパンオ−プン、川添奨太プロの決勝ダブルイルミネ−ションでの連続パ−フェクト、感動しましたね。今は無き池袋のハタスポ−ツプラザであの瞬間をナマで味わった方はとても幸せだと思います。かく言う私もナマで目撃した一人ですが、ある連続パ−フェクトには、ただ24のストライクが続いたということだけではない、何か別―プラスα―の力が働いていたように思うのです。

 まず、1ゲ−ム目のパ−フェクトですが、相手の佐野芳宏プロも、第7フレ−ムまでワンスペアだけと非常に好調でしたので、川添プロにはストライクが途切れたら逆転されるかも…という緊張感がず―っとあっただろうと想像できます。つまり、パ−フェクトを意識する間もない「勝つためにはストライクを!」という積み重ねが、すくなくとも佐野プロがオ−プンフレ−ムを作った第8フレ−ムまでは続いたと思うのです。それがよかったのか、最初のパ−フェクトは、ほとんど非の打ち所のない見事なストライクが12回続きました。

 さて、勝ったほうが優勝という仕切りなおしの2ゲ−ム目第1フレ−ムの1投目、川添プロのボ−ルはポケットに吸い込まれましたが、10ピンを残しました。(正しくは…のように見えました…です)「さすがに、2ゲ−ム連続というわけにはいかないんだな」と思ってレ−ンから目を離そうとしたら、どこからかピンがゆっくりと10ピンに向かってコロコロところがっていきます。「この勢いでは10ピンにあたっても倒れるかなぁ」ぐらいの感じだったのですが、そのまま10ピンにあたり、ゆっくりと10ピンを倒してしまいました。その間10秒、いや20秒?…実際にはピンデッキはもっと早く降りてきますからそんなに長くはないのでしょうが、とても長く感じられる時間でした。



 『残ったかと思われる10ピンがどこかから転がってきたピンによって倒される』ケ−スなど全然珍しくありませんが、10ピンが倒れるまでにこんなに長い時間を要したのを私は今まで見たことがありませんでした。会場で、あるいはテレビでこのシ−ンをご覧になった方、いかがですか?このとき、私は「アレ???こんなストライクから始まるなんて、これはひょつとするとまたいっちゃう(パ−フェクト)かな?」と思ったものです。

 本当にいってしまうとは…まさに“ナイスピンアクション”だったのですね。

 2ゲ−ム目は、この第1フレ−ムのみならず、投球はかなりブレ、1ゲ−ム目のような文句なしのパ−フェクトと呼ぶのはちょっとためらわれる内容でしたが、ゲ−ム後半は、もう、会場がパ−フェクトム−ドとでもいうような空気に包まれていたように思います。
「1ゲ−ム目の佐野プロの好調、信じられないほどのピンアクション、会場の空気、…etc.」いくつかのプラスαが川添プロを包みこんで歴史的快挙は達成されました。もちろん、それは川添プロの実力があってのこと。いくら讃えても讃えすぎることはないと、その点は改めて強調しておきます。でも…その数10分後、私は戦慄を覚えるほどの衝撃を受けます。
それについては、また来月!



四家 秀治 (よつや・ひではる)

元テレビ東京アナウンサ− 7月からは、フリ−。テレビ東京在職中は、ボウリングの実況を多数経験。東京運動記者クラブボウリング分科会代表幹事と、武部勤衆議院議員が会長であるボウリング評議会の理事を2011年3月まで務めた

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