四家秀治の「ナイス!ピンアクション」−6

 吉田真由美プロ(提供:JPBA)
吉田真由美プロ(提供:JPBA)
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●笑顔を絶やさぬ吉田プロ

 MKチャリティカップ、東海女子オ−プンに連勝し、好調な吉田真由美プロ(JPBA31期)を始めて取材したのは、今から10年前、私がジャパンオ−プンの実況をテレビ東京のBS波、BSジャパンでしたときでした。

 時本美津子プロ(JPBA7期)が無類の強さを見せていた頃です。

 ト−ナメントの中心には、いつも時本プロがいました。そこに現れたプロ入り4年目の小柄(公称150cm)な吉田プロが、小気味良いボ−ルで、時本プロを決勝で下し、ジャパンオ−プン初優勝を(通算2勝目)果たしたのです。

 吉田プロの魅力は、その実力もさることながら、いつも絶やさぬ満面の笑顔です。ト−ナメント中、投球を終える度に、いつもギャラリ−に笑顔で応えてアプロ−チから戻って来ます。P☆リ−グが始まって以来、最近でこそ笑顔で戻ってくる女子プロは増えてきましたが、当時、他には吉田プロの親友である年齢が一つ下の中谷優子プロ(JPBA28期)、また、一つ上の酒井美佳プロ(JPBA25期)などが目立つたぐらいで、ボディアクションやガッツポ−ズはあっても大半のプロは無表情でした。

 ギャラリ−は、長時間立ったままで応援を続けていますから、正直、疲れます。そのギャラリ−への一番の心遣いがこの笑顔だと私はいつも思っていました。プロも神経を研ぎ澄ませて投げ続けていて大変なのはわかりますが、笑顔を絶やさぬプロがどんどん増えてほしいと思います。

 さて、その吉田プロ、昨年は「優勝のないポイントランキング1位」(それはそれで立派です!)という珍しい1年でしたが、今年、さらに進化した姿を見せてくれているのは喜ばしい限りです。

吉田プロが産休のためト−ナメントから姿を消したのは2007年のイ−グルクラシックでした。しかし、なんと1年後、2008年のイ−グルクラシックでト−ナメントに復帰し、秋頃にはト−ナメントの上位に顔を出しています。さらに、翌2009年は安定感のあるボウリングを取り戻し、ランキングも5位に急浮上!その復活の早さは驚くばかりです。

吉田真由美プロ(提供:JPBA)吉田真由美プロ(提供:JPBA)
吉田プロ(提供:JPBA)                 吉田プロ(提供:JPBA)

 母になってから強くなったボウラ−は、珍しくありません。それがなぜなのかは置いておくとして、90年代には近藤文美プロ(21期)、近年では姫路麗プロ(33期)、松永裕美プロ(37期)、五十嵐久乃プロ(36期)…など、無論、もともと実力があったのだと思いますが、彼女たちのプロでの実績はすべて母になってからです。

 しかし、吉田プロは母になる前、すでに女王(2003年ポイントランキング1位)の座に就いています。それも、2003年といえば、若手が台頭してきてはいたものの、前述の時本プロをはじめ、斉藤志乃ぶプロ(3期)、故金田恵子プロ(5期)などがまだまだト−ナメントの主役だった時代です。実はこの年の3月、吉田プロはミセスになっているのですが、それを自らのパワ−に変え、キャリア豊富な先輩たちを抑えて頂上に立ったわけで、快挙といってもいいぐらいすばらしいことでした。でも、その頃以上に輝いている今こそが、ひょっとすると吉田プロの本当の“旬”なのかもしれません。

 2008年1月に生まれた長男の琉貴(りゅうき)君は、吉田プロや、吉田プロのお母様、お義母様などのあたたかい愛情に包まれて、この春、保育園の年少組に入りました。
「練習時間が今までより確保しやすくなりました」という吉田プロですが、その話し振りには、力みのようなものが全く感じられません。「私は自然体ですね。ファンの方への笑顔も、特に意識しているわけではないです」と、復帰に向けて血の滲むような努力をしたであろうことなどおくびにも出さず、明るく答えてくれます。

 改めて「プロとは?」を考えさせてくれるようです。

 ソフトな肌ざわりで笑顔を絶やさぬ吉田プロの強さ、カッコいいです!

 皆さんも、これからの吉田プロに、さらなる注目をぜひしてください。



四家 秀治 (よつや・ひではる)

元テレビ東京アナウンサ− 7月からは、フリ−。テレビ東京在職中は、ボウリングの実況を多数経験。東京運動記者クラブボウリング分科会代表幹事と、武部勤衆議院議員が会長であるボウリング評議会の理事を2011年3月まで務めた

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