やっぱり、1番目指さないと−1

 コンサ−ト ラウル・デュフィ 画
コンサ−ト ラウル・デュフィ 画
第1回

●やっぱり、1番目指さないと ファッションデザイナ− 川久保 玲 氏 1942年生

作り手の側も1番を目指さないとダメ。「2番じゃダメですか」と言い放った政治家がいました。けれども、結果は1番じゃなくても、少なくともその気持ちで臨まなければ。1番を目指すから世界のトップクラスにいることができる。日本は資源がないのだから、先端技術や文化などのソフトパワ−で勝負するしかないのです。

どの分野でも、商品の値段や製作費用をいとわず、新しいものを作り出そうとしている人はたくさんいます。そうした姿勢は、どんな状況であっても人が前に進むために必要なものだからです。私にとってはファッションが、そうした場なのです。

一般の人には高くて買えない服でも、新しい動きなり気持ちがみんなに伝わっていくことが大切です。作り手が世界を相手に一生懸命に頑張って発表し、それを誰かが着たり見たりすることで何かを感じて、その輪が広がっていけばいい。新しいというだけでウキウキして、そこから出発できる。ファッションとはそういうものです。

すぐ着られる簡単な服で満足している人が増えています。他の人と同じ服を着て、そのことに何の疑問も抱かない。服装のことだけではありません。最近の人は強いもの、格好いいもの、新しいものはなくても、今をなんとなく過ごせればいい、と。情熱や興奮、怒り、現状を打ち破ろうという意欲が弱まってきている。そんな風潮に危惧を感じています。

ファッションの分野に限らず本当に個性を表現している人は、人とは違うものを着たり、違うように着こなしたりしているものです。そんな人は、トップモ−ド(流行の最先端)の服でなくても、Tシャツ姿でも「この人は何か持っているな」という雰囲気を醸し出しています。本人の中身が新しければ、着ているものも新しく見える。ファッションとは、それを着ている人の中身も含めたものなのです。最近はグル−プのタレントが多くなって、みんな同じような服を着て、歌って踊っています。わたしには不思議です。(つづく)

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