公認競技場を創る−4

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●「100万人ボウラ−キャンペ−ン」は夢物語ではありません (株)ジャビコ 代表取締役 染谷 景一郎 氏 53歳

@ 現代のボウリング教室の開発(参加者募集)事情

 4月に入り春の嵐が吹き荒れ、交通機関がマヒして死者まで出る騒ぎになりましたが、「春一番」とは違う事を初めて知り、危うく赤恥をかくところでした。「春一番」とは、立春から春分までの間に吹く南寄りの強風のことで、すでに春分を過ぎた今年は珍しく「春一番」の吹かない年だそうです。春の嵐に翻弄され役に立たない傘を必死に支えて歩く人々の姿を見ていると、不景気の煽りをまともに受け防戦必死の我業界をダブらせてしまい何ともやるせない気持ちになりました。しかしここは気を取り直して前号に提案させて頂いた「100万人ボウラ−キャンペ−ン」の話を進めていくことと致しましょう。

 荒唐無稽の話だと思われる方がおられると思いますが、「団塊の世代」以降高齢化社会は進む一方で、日本の将来が危惧されていますが、ちょっと待ってください。ネガティブな思考ばかりしないでポジティブシンキングで行きましょう。確かに高齢化社会はどんどん進んでいきますが、反面高度成長時代以降に青春期を迎えバブル期真っ只中で社会を担ったエネルギッシュな世代が町に溢れているわけです。筆者がまだ駆け出しの20数年前は、ボウリング教室を開くにも生産年代の人たちはレジャ−などには見向きもせずひたすら働き、高齢者の方々は重たいボ−ルを振り回すボウリングには興味も示しては貰えません。その参加者を集めるのに大変な苦労をしたものです。

 しかし、現在は健康ブ−ムの時代。60歳を過ぎて老け込むどころかアクティブに身体に良いことに飽くなき探求を費やす時代になりました。一昔前でしたら教室参加者の開発に、老人会、婦人会、年金受給者協会、ゲ−トボ−ルクラブ、ラジオ体操に公民館カルチャ−や他のスポ−ツカルチャ−等走り回ってやっとの思いで受講者を集めたものでした。しかし現在はチラシを打つだけで相当数の受講者を集める事が出来る時代になってきています。無論、結構な宣伝広告費もかかりますが、リ−グ開発が大きな目的、目標のLTB事業にとって、開発作業がそのすべてと言っても過言ではなく受講者の募集に成功する=リ−グ開発の成功の公式は成り立ちます。つまり、高齢とはいえ青春時代にボウリングブ−ムに触れ、エネルギッシュな世代に溢れた現代は、クラブ志向型ボウリング場の創造には最高の時代背景を持ったことになるのです。

 世の中を見渡しても、ヒット商品はすべて中高年世代をタ−ゲットにしたものであり、物販関係者に言わせると「45歳以降の世代をタ−ゲットにしないものは売れない」と、ハッキリ言い切ります。その黄金世代をタ−ゲットにした「クラブ志向型ボウリングセンタ−」はまさに現代社会にマッチした事業と言えるのではないでしょうか。時代はすぐそこまで来ています。



Aリ−グボウラ−の育成環境

 開発には最高のバックボ−ンを持った現代ですが、その育成には最低でも以下の準備が必要です。

     ・システムの確立
     ・指導者の育成、招聘
     ・ボウリング場そのものの環境整備
     ・高いホスピタリティレベルの達成(指導者以外のスタッフ等)  …etc

 システムに関しては、ボウリング場協会の鉄板システム「5日間LTB」がありますし、プロ協会の「公認8日間システム」等、既成のシステムが多数存在しており、それぞれ多少の手直しが必要ですが今でも十分に通用します。

 次に指導者の育成ですが、こればかりは一朝一夕には難しく特に高いホスピタリティレベルを保った担当者が必要です。しかし現在プロボウリング協会に登録しているインストラクタ−が、公認805名、認定630名、ティ−チングプロ11名(平成24年1月現在)と充実しており現存のセンタ−数を考えると充分日本全国補える状況です。

 次に教室環境の整備ですが、スポ−ツボウリングを提唱するのであれば最低限レ−ン、アプロ−チ、レクチャ−ル−ムはそれなりに整備されていなくてはならないでしょう。レ−ン・アプロ−チに関しては公認協の加盟センタ−ではレ−ン認証をすでに受けているので問題ないでしょう。非加盟センタ−であればその地域でのオ−ソライズを受けるためにも加盟をお勧めします。

 ところで弊社の青森八戸事業所のボウリング設備は平成6年の「三陸はるか沖地震」を皮切りに「第2十勝沖地震」そして昨年の「東日本大震災」と震度6以上の大地震に3度も見舞われて満身創痍の状態でした。しかし昨年12月に一旦レ−ンを全部上げレベルをとったのはもちろんのこと、ジョイント部分の縁を切りすべての歪みを矯正する改修工事を行い、今ではしっかりとした競技施設としてボウラ−の方々に評価を頂いております。レクチャ−ル−ムに関してはあるに越したことはありませんが、アプロ−チ上でのレクチャ−でもその用は足りるでしょう。ボウリング場にとってレ−ン・アプロ−チは生命線です。常に整備を怠らずボウラ−に提供する必要があるでしょう。

 最後に指導者以外のスタッフのホイピタリティレベルの向上ですが、別に難しい事ではありません。先ず「笑顔でこんにちわ」が言えること。電話応対の際、別に水際立った流暢な対応は必要ではありません。電話口の相手の方に不快感の無い対応が出来れば充分です。そして、リ−グ開発の延長線上に考えるのであれば、「教室に参加している方のお顔とお名前は全員で覚える」最低限このくらいはできることが必要です。このような事が出来るようになれば、そのスタッフのホスピタリティレベルはどんどん向上してゆくでしょう。そうです。できないことはできなくて結構。できないことをハッキリとお客様へ伝え、頭をさげ、できる社員に引き継ぎましょう。できることをひとつひとつ積み重ねていけばいいのです。

 弊社の事務所には教室参加者のお写真とお名前が貼ってあり、お名前とお顔が一致しない時は、みんなで見直して確認するようにしています。逆にもし挨拶と電話応対さえ満足にできないスタッフがいたら早急にお引き取り願った方が賢明だと思います。なぜかって?理由は簡単です。そんなこともできない人にホスピタリティレベルの高い接客なんて絶対できないからです。挨拶と電話応対はしっかりとした動機付けと研修を短時間行なうことによって誰にでもできます。ちなみに人間は、顔と名前とその方のステイタス等をどんな方でも約600人程度は覚えられるそうです。さあ、みなさんで600人目指して挑戦しましょう。

上記のように現代のボウリング場はボウラ−の開発の条件は揃っていると言っても過言ではなく、我々ボウリング業界自体が動いていないだけでしょう。勇気を出してボウラ−開発に向かおうではありませんか。「百万人ボウラ−キャンペ−ン」は決して荒唐無稽の夢物語ではありません。(つづく)



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