公認競技場を創る−5

 たんぼ(千葉県)
たんぼ(千葉県)
第5回
第4回
第3回

第2回
第1回

●ボウリング教室から〜リーグボウラーの育成

(株)ジャビコ 代表取締役  染谷 景一郎 氏 52歳

 GWもあっと言う間に通り過ぎ、これから夏休みに入るまでボウリング場はオープン来場のお客様の集客に四苦八苦する気持ちの重い季節になりました。GWと言うと平成の一桁年のあたりまでボウリング場は主に家族連れのお客様で等で賑わい、GW特別料金とか高い料金設定を行うセンターさんまであるくらい活気にあふれていました。しかし近年は毎日ハウスコンペを計画しても前年のライネージを維持するのが精一杯と、なんとも世知辛い今日この頃です。いけません、ついついネガティブになってしまいがちですが元気を出していきたいと思います。

〜ボウリング教室から〜リーグボウラーの育成〜

 前号までで、ボウリング業界の存亡をかけて百万人ボウラーキャンペーンを推進しましょうと提案してきました。そして中高年齢層をターゲットにするボウリングは高齢化社会に向かう日本にとってはとてもタイムリーでむしろこれからの成長産業と成り得る資質さえ備えていることを説明してきました。そのための、その起点となるプロセスとして健康増進をモチーフにしたボウリング教室が有効であり、もしかしたら唯一無二のシステムであるかもしれません。もちろん高齢者の招待やイベント等でのプロモーションでご案内したり、テレビ・新聞などのマスメディアを通してパブリシティーに訴えていったりとプロセスはいろいろとありますが、顧客化という観点から見ると、言うなればリーグボウラー育成システムであるLTBがカンフル剤としての即効性は乏しいですが、確実にボトムアップするもっとも有効な手段だと断言できます。

茶畑(静岡県)
茶畑(静岡県)

 前回にボウリング教室は、その開発(生徒さんの募集)が成功ファクターのほとんどを占め、開発に成功することで80%は目的を達成する事を書きましたが、ボウリング教室にはたくさん来て頂いたけど、終わったら誰もボウリングを続けてもらえないのでは何のために開発費をかけて人を集めたのか意味もありません。長く顧客になって頂くこともボウリング場を安定経営させる上で必要不可欠な事です。そのためには育成段階の教室のカリキュラムはもちろんのこと修了したあとリーグ戦に参加して頂くことが必要です。ちなみに日本のリーグボウラーの総数は約2万人と言われ、アメリカのリーグボウラーは約400万人と言われてきましたが、アメリカの状況もあまり芳しくないみたいで最近では200万人と半減しているのが現状らしいです。それでも圧倒的な数を誇るアメリカに習うことは大事かと考えます。

 筆者は、プロボウラーの第1期生(チャーターメンバー)のすみ光保プロにLTBを始めボウリング事業のコンサル業務を師事し、今日に至っている訳ですが、彼から「アメリカのインストラクターの教本にはこんな言葉があった」と聞いたことがあります。

・「ボウリングにおける唯一の技術評価基準はアベレージである」
・「アベレージとはリーグ戦における平均点の事であり、故にボウリングにおける唯一の試合形式はリーグ戦である」 

この見地からもボウリングを学ぶこと、理解して楽しむためにはリーグ戦に参加してもらわなければなりません。またまたすみプロの受け売りですが、もともとLTB(Learn  To Bowling)は、アメリカでのリーグ戦育成システムだそうです。つまりLTBとはボウリング教室として初心者の方にボウリングの技術指導する場ではなく、次週また来場する動機付けの場であり、その延長線上にリーグ開発を見据えた経済活動と言っても過言ではないのではないかと考えます。そこでそのポイントですが、もちろんどんな方でもボウリングをする方は全員、ボウリングが上手くなりたいのですし、ストライクを出したいのです。ただ、導入段階でのボウリング教室では、こんなことが重要なポイントになります。

@    先生が楽しかった。
A    同じ趣味を持つ友達ができた。
B    スタッフの人が優しかった。
C    久しぶりに身体を動かして気持ちが良かった Etc・・・

一見ボウリングとは関係のないことですが、ボウリングを継続していく動機の上位であることに間違いありません。失敗する例としてインストラクターが余り熱心に技術論に終始すると、逆にボウリングは難しいものとしてボウリング教室終了とともにボウリングと縁が切れてしまう要因にもなりかねません。それでもみんなストライクを出したい、スペアを取りたい、いいスコアを挙げたいのですから、バランスの良い肩の凝らない進め方を熟成しましょう。

アズマシャクナゲ
アズマシャクナゲ

最後にリーグ化促進に一番大事なファクターですが、これは何と言っても担当インストラクターの情熱であり、人格・人柄であり、何よりもボウリングを生活化しその方のライフワークの中にしっかりと組み入れて頂きボウリングを通じて健康であり幸福感を満喫してもらいたいと心から願っていること。そんなインストラクターを育てることです。そして、オーナーが良く理解しその他のスタッフもホスピタリティ溢れる接客応対に徹することが出来るボウリング場作りが出来て初めてリーグボウラーの育成が進むことでしょう。果たして弊社のボウリング場がそうかと言えばまったくそのレベルに非ず、永遠の課題になりそうです。しかし、前述のすみプロが経営されているボウリング場では、リーグ化されたボウラーのドロップがほとんど起きていないそうです。理想のリーグ開発が完成していそうです。機会がありましたら是非お立ち寄り下さい。

 いろいろとリーグボウラー育成に関して書き綴ってきましたが、「100万人ボウラーキャンペーン」の骨子は、中高年を対象とし健康増進を目的としたボウリング教室の継続的な運営にあります。日本全国で活動を起こしましょう。

前の「記事」へ戻る 「全公協たより81」へ 次の「記事」へ進む

 全国ボウリング公認競技場協議会「トップページ」へ 「全公協たより・目次」へ