公認競技場を創る-7

全日本ジュニア強化合宿(提供:JBC)
全日本ジュニア強化合宿(提供:JBC)
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ジュニアキャンプと投球技術革新

(株)ジャビコ 代表取締役  染谷 景一郎 氏

 11月ともなると、北東北地方は一気に気温は冷え込み半ば過ぎには「初雪」の便りも聞こえて参ります。本格的な冬を迎えると津軽地方では毎日のように積雪し、一冬で累計積雪が20mを超える年も珍しくはありません。外も寒くなってまいりましたが、相も変わらず我ボウリング業界はオリンピックイヤーというアゲインストに抵抗することなく、ずるずる土俵を割ってしまってるような気がします。夏が終わり何軒も閉鎖の連絡を受けました。さびしい限りです。まさに冬到来!いやいや、しかしながら弊社のボウリングセンターはこの不況の中、前年を上回ってお客様に来場頂いているのでありがたい限りです。これも日頃からボウラー開発、ジュニア育成に勤しむことによって地域社会にオーソライズして頂いている賜物かと感謝する次第です。

 さて、今回は青森県の高体連と㈳日本プロボウリング協会のコラボと米国ストーム社と日本のハイスポーツ社のご協力で実現した青森県高体連ボウリング専門部の強化合宿についてお話します。

 この強化合宿は、青森県高体連加盟選手のうち東北大会出場以上の選手12名が参加し、コーチ陣は、USBCシルバーコーチのドーン・モス氏にPBAメンバーのジェフ・カータープロ、ライノ・ペイジプロ、それに今回女子選手のためにディアンドラ・アスベティプロが参加し、2日間に渡り、日進月歩で移り変わる今一番トレンドなボウリング理論を若い将来有望なプレイヤーに対し、ボールの知識から投球技術そしてレーンコンディションまでを講習するのが目的目標でした。何よりも進化し続けるボウリング投球技術を素直に受け入れ動機付けし、これから世界に通用するプレイヤーを青森より排出しようというのが最大の目的です。

全日本ジュニア強化合宿(提供:JBC)
全日本ジュニア強化合宿(提供:JBC)

 コーチ陣からの話では、日本各地でジュニアのボウラーを多数見てきているが、クラシックなタイプが多いとの話でした。ここで云うクラシックなタイプとは、左足を軸にして(右投げの場合)体重を左足に移動した後でリフト&ターンでリリースを上に向かって行うタイプの事で、現代のトレンドの右足と左足の2軸にとり身体の前方にスペースを作り(レベレージポジション)、腰を立てない状態のままボールを前方にフィードするPBA
 スタイルに早く移行すべきだと話していました。しかし青森県のジュニアは進化しているタイプが多く素晴らしいとお褒めの言葉(欧米人特有の外交辞令か)を頂きました。しかし、小役が青森事業をスタートした4年前はボウラーの9割方(ジュニアも含む)がハードタイプのリストタイをして旧態然としていたものでした。

 現在のボウリング競技は、世界、そして日本でも主要大会はスポーツコンディション(全体的にミディアム~ヘビーオイルでハッキリとしたサイドアンジュレーションのない攻略難度の高いレーンコンディション)で行われる事が多くなり、よりスピードとキャッチの強いローリングが求められる時代になってきています。ですから青森事業を始めた以上一刻も早く最新の情報キャッチ発信し青森県全体の競技力の向上に尽力する事が公認競技場としてやるべき事と考え邁進してきましたが4年目の今年に入ってやっと、このジュニアキャンプのように具体的なお手伝いをできるようになりました。

 話は少しそれますが、弊社ボウリングセンターでは、多い日は一日3回レーンメンテナンスを行います。

 ①一般オープン来場のお客様向けのパターン(基本的に変わりません)
 ②教室卒業生のリーグボウラー仕様の標準パターン(状況によって変更します)
 ③マニアの競技ボウラー仕様の競技パターン(毎月変わります)
 ④特別大会(JBC等の試合も含みます)競技パターン(その都度協議により決定)

 上記のようにTPOに合わせて色々なシチュエーションのボウラーの方々に満足して貰えるよう日々のコンディショニングを行っています。このように日本全国でまず競技場の整備をすることは選手育成のためにもとても重要な事と考えます。


全国高等学校対抗選手権(提供:JBC)
全国高等学校対抗選手権(提供:JBC)

 ジュニアキャンプの話に戻りますが、このキャンプに2日間帯同させて頂きましたがアメリカでは、指導要項が確立されていると言うことに気が付きました。日本では初心者対象のLTBでは教本から指導要領までほぼ確立されていますが、中級以上のボウラーや選手育成のコーチングでは体系化されておらず、コーチと呼ばれている人たちが自分の投げ方や独自の理論を押し付けているに過ぎないように感じられます。早く日本も世界基準のボウリングを謙虚に取り入れグローバルワイドな視点で競技としてのボウリングを見つめ直さないと世界どころかアジアの中でも後れを取っている現在、取り返しのつかない事態が生じる事でしょう。これからも微力ながら日本のボウリングの技術革新を応援していきたいと存じます。

 ところで、ジュニアキャンプの翌日は、同じ弊社のセンターで高体連の「全国学校対抗選手権青森予選」が行われました。そしてなんと、ジュニアキャンプの参加選手が上位を独占しました。たった2日間の合宿で技術がそんなに上がるもなく、合宿練習の成果とは言い難いですが大変に高い動機付けになったことは間違い無く参加選手のこれからに大きく期待が出来ます。

 このことをきっかけに青森県の若いボウラーが日本にそして世界に羽ばたいてくれることを欲してやみません。残念ながら、全国の都道府県の中で高体連の中にボウリングの専門部がある県は7県しかありません。公認協、場協会他業界全体で力を合わせて全国で高体連加盟を目指し、まずはインターハイの正式競技にすること。そうすれば、きっとスポーツとしてのオーソライズを受ける事が出来るでしょう。ひとつの目安は、半数以上の県で加盟して、登録競技者が1万人を超える事でしょう。それまで、皆さんで頑張りましょう。

全国高等学校対抗選手権(提供:JBC)
全国高等学校対抗選手権(提供:JBC)

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