四家秀治の「ナイス!ピンアクション」−21

 
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●皆さん、一緒にボウリングを楽しみましょう

 第44回JPBA全日本女子プロボウリング選手権(2012年12月13〜15日、品川プリンスホテルボウリングセンター)、CS放送のスカイ・Aが前年に続き生中継しましたのでご覧になった方は多かっただろうと思います。

 そう、姫路麗プロ(JPBA33期)がこの大会としては史上初の優勝決定戦でのパーフェクトゲーム達成で4年ぶり2度目の優勝を飾ったのです。

 全日本は予選、準々決勝、準決勝、通算36ゲームのトータルピン上位4人によって、最後はステップラダー方式(通称テレビ決勝)で優勝が争われる長丁場です。そして、優勝決定戦だけは、1位で残っている選手にアドバンテージがあるという方式を採用しています。1回敗れても、もう1回チャンスが与えられる、すなわち勝ち上がってきて1位の選手と当たる選手はそこで2連勝しなければ優勝できない方式です。

 今回の姫路プロは36ゲームトータル1位でしたので、優勝決定戦では勝ち上がってきた吉田真由美プロ(JPBA31期)に227−243で敗れ、正しくは再優勝決定戦でのパーフェクトゲーム達成でした。しかし、“再”が付こうが付くまいが、優勝決定戦には違いありません。


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 見事でした。

 最後の1投が、失投であるにもかかわらず、きれいにブルックリンをとらえ、ストライクになるところまで、なんだか出来すぎの演出という感じさえしました。昨年の同大会、全く同じ状況、再優勝決定戦で、松永裕美プロ(JPBA37期)は最後の1投で7番ピンが残って299での優勝だっただけに、2年続けての全く同じパターンでの盛り上がりはまるで筋書きでもあるかのようでした。そして、日頃から、彼女のコメントには感心、感動させられることが多いのですが、快挙直後の優勝インタビューでも…。

「最後は完全な失投だったので、どうやって倒れたのかわからないんですけど…ここで応援してくださっている皆さんとテレビの前で観てくださっている皆さんの気持ちが倒してくれたんだと思います」

 始めは、冷静にしゃべることなどできる精神状態ではなかっただろうと思います。それでも、涙声で途切れ途切れとはいえ、話の内容はいかにも姫路プロでした。しかし、大会スポンサー、会場へのお礼の後、ファンに向けてのコメントを求められたインタビューの締めに至る頃には、カメラをしっかりと見て

「最後まで全選手を応援してくださってありがとうございました。また、皆さん、一緒にボウリングを楽しみましょう。ありがとうございました!」

 涙でぐしゃぐしゃですが、笑顔一杯のいつもの姫路プロに戻っていました。いかにも…というより、そんなものは通り越して、落ち着きを取り戻していたのでしょうが、私の感覚では「この場でどうしてそんなことが言えるの!?」でした。

 表彰もすべて終わっての記者会見で「あの状況であのすばらしいコメントに感動しました」と姫路プロに言うと、「だって私たちはそのためのプロなんです。皆さんに楽しくボウリングをしていただくために私たちはいるんです。あたりまえじゃないですか」と逆に諭されてしまいました。確かに姫路プロのおっしゃるとおりです。それもそのあたりまえのことをプロボウラーとして常に意識して行動しているから、何のてらいもなくスムーズに口をついて言葉が出てくるのだなあと思った私でした。


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 あれはP☆リーグが始まった頃でした。

 「女の子の将来なりたい職業の第1位が、プロボウラーと言ってもらえるようにしたい」と姫路プロが胸を張って発言していたのを思い出します。

 プロは、競技者として強いのはあたりまえですが、プロとは、ただ勝てばいいというものではなく、そのスポーツの魅力、すばらしさを発していかなければならないということを姫路プロはわかりすぎるほどわかっていて、しかも実践しています。

 だから、姫路プロは絶大な人気があるのでしょう。

 さて、その姫路プロ。1月17〜19日、愛知県の稲沢グランドボウルで開催されたインターナショナルボウリングチャンピオンシップスでは、予選9ゲームトータルでの上位24人に残ることができず、準決勝に進むことができませんでした。姫路プロの高い志、ぜひ、国際舞台でもそれが結果に結びつく日を待ちたいです。

 私はこのコラムでは、姫路プロに限らず日本勢には
 「善戦ではなく優勝を!」
 と書いてきました。
 残念ながら今年もそれが実現することはありませんでした。
 優勝は男子がPBAのトミー・ジョーンズ、女子はシンガポールのシェイナ・ウンでした。
 男子はトミー・ジョーンズの連覇、女子も昨年、シンガポールのシェリー・タンでしたので、シンガポール勢の連覇ということになりました。

 原稿締め切りの都合上、詳細については、改めて来月書かせていただきますが、日本勢、志は高いのでしょうが、どうにかならないものでしょうかねえ…。


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四家 秀治 (よつや・ひではる)


四家 秀治 (よつや・ひではる)

元テレビ東京アナウンサ− 2011年7月からはフリ−。テレビ東京在職中は、ボウリングの実況を多数経験。東京運動記者クラブボウリング分科会代表幹事と、武部勤衆議院議員が会長であるボウリング評議会の理事を2011年3月まで務めた

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