四家秀治の「ナイス!ピンアクション」−47

 JBC全日本選手権チャンピオン 女子 今井双葉(長崎) 男子高橋俊彦(岐阜) (提供:JBC)
JBC全日本選手権チャンピオン
女子 今井双葉(長崎) 男子 高橋俊彦(岐阜) (提供:JBC)
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●ボウリングは難しいレーンコンディションを攻略するスポーツ

 先月私が申し上げた
「ハイスコアの連発」
「ストライクが出やすい大会」
とは異なるレーンコンディションで、先月中旬、
JBC(全日本ボウリング協会)の年度総決算の大会である
全日本ボウリング選手権が愛知・稲沢グランドボウルで開催されました。
 全日本ナショナルチームの下地賀寿守コーチによると、今年は初の試みとして
ミックスのオイルでレーンを作ったのだそうです。オイルについては勉強不足の私、
詳しいことはよくわからないのですが、特性が全く違うアイスと呼ばれるオイルとファイヤーと呼ばれるオイルの
2種類をミックスすることによって今までになかったレーンコンディションを作ったのです。
 レーンコンディションの変化も選手たちは皆初めての体験なので
「このような状態になったらこう対処して」というような経験則が通用しません。
 全日本選手権に出場してくる選手たちは皆、高いレベルのコントロール力を備えているわけですが、
その正確なコントロールも
「思ったところに投げているのになぜボールはそんなところに行くの?ありえない」
という具合になり、選手たちは迷うばかり。
首を傾げるシーンが例年より多く見られましたし、全体的にスコアも伸びませんでした。

JBC全日本選手権女子団体優勝 福岡県 (提供:JBC)
JBC全日本選手権女子団体優勝 福岡県 (提供:JBC)

 もちろん嵌ればストライク連発はあります。でもそれが続かないのです。

 一例を挙げますと、名前は伏せますが、あるベテランの女子選手が160台と苦しんだ次のゲーム、
レーンを移動したとはいえ、240台に乗せました。しかし、次のゲームではまた160台です。
 また、男子のある期待の若手は150台のあと260台、これで一気に乗るか!?と思いきや次のゲームは180台。
 いつの、どの大会でも上記2例のようなことが起こるのがボウリングというスポーツではありますが、
それが大会を通じても実に多い。「この調子ならここから突っ走りそう」に見える場合でも
突っ走らないし、突っ走れないのです。
 その原因は間違いなく、今まで経験したことのない状況への対処ができなかったということだと思います。

 そりゃあそうです。ボールも優秀ですし、いくつかの対処法さえわかっていれば
あとはコントロールとボールの破壊力でピンが飛んで行ってくれるボウリングをしてきて、
実際それで勝ってきた選手たちばかりなのですから、
それ以上の能力は身に着けたくても身に着ける機会がなかなかありません。

 大変結構なことだと思いました。下地コーチも今回の試みについては全く同意見で
「いろいろなレーンコンディションを経験し、いろいろな対処法を学ぶことは
間違いなく選手にとっては財産になる」とおっしゃっていました。
 JBC全日本選手権はJBCのbPを決める大会ですし、
それは、世界と戦うレベルを意味しますから、アマチュアではあっても
「ストライクは簡単には出ないもの」
であることを実感すべきなのです。

JBC全日本選手権男子団体優勝 愛知県 (提供:JBC)
JBC全日本選手権男子団体優勝 愛知県 (提供:JBC)

 先日、ある男子のトッププロが、ボウリングの知識に乏しい一般の方から
「女子プロボウラーって男子プロより強いんですか?」
と聞かれて答えに困ったという話を苦笑しながらしてくださいました。
技術が男子プロより高い女子プロもいるとは思いますし、
私は決して男尊女卑などという古めかしい考え方ではありませんが、
平均すればやはり筋力で上回る男子のレベルのほうが高いのは否定のしようがありません。
 このように、ハイスコアばかりを出す女子プロボウラーが目立つと、とんだ誤解を生じることにも繋がってしまうのです。

 ボウリングはこれを機会に難しいレーンコンディションをどんどん作って
それを優れた技術(ボールではありません)で攻略するスポーツになっていってもらいたい。
 稲沢グランドボウルからの帰路、新幹線の車中でそんなふうに思っていた私でした。

四家 秀治 (よつや・ひではる)

四家 秀治 (よつや・ひではる)

元テレビ東京アナウンサ− 2011年7月からはフリ−。テレビ東京在職中は、ボウリングの実況を多数経験。東京運動記者クラブボウリング分科会代表幹事と、武部勤衆議院議員が会長であるボウリング評議会の理事を2011年3月まで務めた

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