米国ボウリング最新事情-6

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●未来は競技力の向上とグローバル化にあり PBA(アメリカプロボウラーズ協会)会長 トム・クラーク 氏 1969生

 今までのボウリングはレーンコンディションが見えない環境でおこなわれてきました。レーンにオイルが塗られているといわれても、それを実際に見ることはできませんでした。今回、このブルーオイルを使うことによって実際にどういうオイルパターンが敷かれているのか、ボウラーはどういう戦略が必要なのか、オイルはどんな風に変化するのかということが、見ている人にも分かるようになったのです。

 たとえば、ほとんどフラットのベアパターンですと、レーンは32フィートまで青くて、その先はまっさら。さらに、投げていくうちにオイルがボールに吸い取られていって、トラックの跡が着いていきます。3〜4Gを経ると、皆が投げている外の部分にオイルがなくなってきたことが、目で見て明らかに分かるようになります。青くなくなったら、もっと青いところに投げなければいけません。それによって選手はアジャストをするわけで、観客や視聴者の皆さんにも、どうして選手がアジャストをしなければいけないのか、オイルが枯れたとか、レーンの変化などが一目瞭然になったのです。今まではボールの動きを見ながら想像していたことが、第三者にも感じることができるようになったのは、ボウリングの大きな進歩だと思います。

 TV決勝では採用していくことがほぼ決まっています。ただ、まったく問題がないわけではありません。ボールがオイルを吸うので、投げた後もトラックフレアがそのまま青く残ってしまいます。これはボールを取り換えればいいことですが、服にもオイルが着いてしまいますね。また一般のボウリング場ですと、塗ったオイルがどこまで伸びてしまうのか、機械まで到達してしまうのか。あるいはクリーナーをかけた後も残ってしまうのか、という心配もあります。

 たしかに量の差は分かりますが、微量の差は見ても分かるものではありません。実際にその変化が見える前にアジャストしなければならないので、簡単になることはないでしょう。やはり自分のボールの動きを信じてアジャストすることが必要ですね。PBAの選手からは、青であれ透明であれ、投げ方や戦略はまったく変わらない、と言う意見が出ています。また、色が着いていた方が公平性も保たれると思います。すべてのレーンが同じように敷かれているか、あるいは極端な話、このレーンだけ何かの理由でオイルが出なかったとか。そういう意味で、ブルーレーンは非常に公平なので、いずれは一般のリーグでも取り入れていければいいなと思います。個人的には、何年先になるか分かりませんが、市販のオイルにも着色されたものが出てくると思います。

 もともとジェイソン選手からのアイデアだったんです。グーグルグラスというのですが、ファンの皆様にいろいろな角度でボウリングを感じてもらいたいと考え、採用しました。どういうところを見て投げているのか、自分がジェイソンになった気分で見られますし、投げて戻ってくるときはどこを見ているのか、とか、そういう部分もファンの人には知りたい情報の一つでしょう。ジェイソンはファンを非常に大切にしていて、さらに新しいものを取り入れていきたい、という気持ちが強いんです。

 いま、1000万ダウンロードされています。ゲームをしながらレベルアップしていって、公式戦のオイルパターンとか、いろいろなボウリング場とか、いろいろなボールを選んだり、ワールドシリーズで投げたり、さらには爆発するボールとか、現実にはないものも取り入れています。けっこうハマりますよ。ボウリングが好きな人はもちろん、興味のなかった人やゲーム好きな人たちにも届いていると思うので、ファン層の拡大には非常にプラスだと思います。ある程度の課金システムを導入していますから、PBAに直接的な利益をもたらす効果もあります。

(つづく)

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