四家秀治の「ナイス!ピンアクション」−50

 高橋延明プロ(JPBA23期)(提供:JPBA)
高橋延明プロ(JPBA23期)(提供:JPBA)
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●「シニアの大会は楽しいねえ」

「シニアの大会は楽しいねえ」

 田町ハイレーン閉鎖に伴い今年、川崎グランドボウルで開催された
6回目の「HANDA CUP・プロボウリングマスターズ」(出場資格は平成27年6月6日現在満50歳以上の男子)は
2年連続で高橋延明プロ(JPBA23期)と北岡義実プロ(JPBA20期)の優勝決定戦になり、
昨年に続き大接戦の末、高橋プロが大会2連覇を遂げました。

 前身である「日本シニアチャンピオン」の頃から私はこの大会に実況、取材を含め
10回以上は足を運んでいます。2年前にもこの大会については話題にさせていただきましたが、
出場しているボウラーやギャラリーから例年以上に多く聞かれたのが冒頭の一言でした。

 近い世代での争いだから? 同窓会的な感覚?
 それもあるでしょうが、もちろんほんとうの理由はそんな次元の話ではありません。

 川崎グランドボウルはIピンが飛びにくいのだそうです。
 単なる風評かもしれないと思って観戦していたのですが、確かに皆さんIピンに大苦戦。
Iピンが倒れるところを見つけ、そこからストライクを量産できるようにした選手がスコアアップに成功し、
それができないとちょっと厚めにいって今度はCピンといった典型的な迷路に嵌っていました。
さらにそこで集中力が切れイージーミス…そんな最悪の展開もありました。
 また、ストライク量産に持ち込んでも、次のゲームでレーンが変わったらまた同じことの繰り返しで、多くの選手が
「Iピン攻略」
のため四苦八苦していました。

高橋延明プロ(JPBA23期)(提供:JPBA)
高橋延明プロ(JPBA23期)(提供:JPBA)

「レギュラーツアーの若い人たちのボウリングもすばらしいと思うよ。うまいなあという選手もどんどん出てきたし。
でも今年の大会なんてIピン倒すために皆、ほんとうに細かくいろいろやってるでしょう?
ジミ〜なことかもしれないけれど、そういう面白さってシニアの大会ならではじゃないかと思う。
観る側にとったらつまらないかもね。エッ?面白い。そう。それならいいね。
みんな若い頃のようなすごいボールを投げられやしなくても、積み上げたいろいろな技を持っているわけで。
そういうところで勝負できる楽しさがシニアの大会にはあるよね」
と、あるプロが話してくれましたが、これは正に出場全選手の気持ちを代弁していたのではないでしょうか。
 シニアの彼らもまた、ピンが倒れないとボールを替えるという戦法を使わなかったわけではありませんが、そこでの考え方に
「このボールならこういうふうに行くからピンが倒れるはず」というようなボールを替えることのみに頼るのではなく、
「アングルを変え、ボールのスピ−ドも変え、投げ方もちょっと変化させるためにはAのボールからBのボールに替えたほうが攻略できる」
というような一歩進んだ理論が感じられます。
 無論、若いボウラーにもそういう替え方をする人はいるでしょうが、どちらかといえばパワー重視であると思います。

 ちょっと視点は違いますが、一世を風靡した西城正明プロ(現在はJPBAプロ引退)の全盛期の発言を思い出しました。
「今、練習ボールを投げてわかったよ。きょうのレーンコンディション(ある親睦大会でのことです)
ならコントロールミスをしなければストライクはいつでも出せる。でもさ、プロならこういう大会で、
ただ普通にストライクを出してもつまらないでしょ?
『こんなアングルからこんなふうにストライクを出すんだぁ〜』
と参加してくださっている皆さんに思ってもらわないとね」
西城プロはその発言通りアッと驚くようなストライクを出しながらいつもの穏やかな笑みを浮かべてアプローチを戻り、湧かせてくださったものです。

 プロの投球からは、やはり技を見たいですね。

高橋延明プロ(JPBA23期)(提供:JPBA)
高橋延明プロ(JPBA23期)(提供:JPBA)

 ところで、2年前の原稿で主役の一人にさせていただいた酒井武雄プロ(JPBA9期)は、
今年も12人で争われた決勝ラウンドロビンに進出しましたが、他プロ同様、Iピンが飛ばず、苦りきった表情でプレーしていました。
傍目にも、長年培った技術を駆使してIピンを飛ばそうとしているのがわかるのですが、それでも飛ばないIピン。
それを観ていて「面白い」などと表現しては失礼ですが、通算34勝の酒井プロでもどうしようもないほどの難しさ。月並みな表現ですが、ボウリングの奥深さを見る思いでした。

 結局8位に終わった酒井プロ。
 さぞ悔しかったことでしょうが、ウグイス色のスラックスが映え、その存在感は他の11人を圧倒していました。

 誰、とは言いませんが、
 シニアだから、
 若くないから、
といって地味な出で立ちで出場するのは、ギャラリーにボウリングを見せる
“プロ”
なら違うような気もしたシニア公式戦の観戦でした。

四家 秀治 (よつや・ひではる)

四家 秀治 (よつや・ひではる)

元テレビ東京アナウンサ− 2011年7月からはフリ−。テレビ東京在職中は、ボウリングの実況を多数経験。東京運動記者クラブボウリング分科会代表幹事と、武部勤衆議院議員が会長であるボウリング評議会の理事を2011年3月まで務めた

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