四家秀治の「ナイス!ピンアクション」−54

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●難しいレーンコンディションを攻略するのがプロ

 少し前の話題になりますが、10月21日、JBC(全日本ボウリング協会)は、
2020年東京オリンピック組織委員会からボウリングの追加提案種目落選の説明を受け
「納得する答えをもらった」とのコメントを残しました。
 追加提案種目に残ったのは皆さん、もうお忘れかもしれませんが
野球・ソフトボール、空手、スポーツクライミング、ローラースポーツ、サーフィンの5つです。
 8→5
の段階でボウリングは外されました。
 JBCからその理由を説明してほしいとの要望を受けた組織委員会の
「残った5つの競技団体には若者をスポーツに目を向けさせる独自性や優位性がある」
という説明にJBCが納得したということでした。

 ところがそれから8日後、一般紙のスポーツ欄に
「ボウリングあきらめず」
の見出しが躍りました。

 これはどういうことかというとIOC(国際オリンピック委員会)は
2020年東京オリンピック追加種目による選手数増加の上限を500人と定めているのですが
残った5つの競技団体がすべて採用されたとしてもその人数は合計474人。
つまりまだ26人分のゆとりがあるので、そこにボウリングが入り込めないか?ということなのです。
あくまで2020年東京オリンピックでの採用を目指すボウリングはとことん粘ろうというわけです。
それでもとにかく、組織委員会からIOCに出された追加提案種目についてはもう終わったことなので、
後は違うルートを探すしかありません。
そこでJBCは世界ボウリング連盟(World Bowling)から直接IOCに働きかけてもらえないか?
という話を世界ボウリング連盟に持ちかけました。
JBC広報によると世界ボウリング連盟は
「JBCの主旨は理解した」
ということでした。
この原稿を私が書いている段階では世界ボウリング連盟からIOCへの具体的な動きはまだないということも
JBC広報から聞いていますのでこの件にいて今後どうなるのか?はまだわかりません。

 2016年初頭のこのコラムで景気のいい話になっていることを期待したいものです。
 ところで、先月はあまりにも腹が立ったので、女子プロボウラーには苦言を呈しましたが、
これは今までも繰り返してきたように私は女子プロボウラーの皆さんが大好きで、強くあってほしいと願うからに他なりません。
 近年、ハイスコアレーンでハイスコアを出す技術ばかりが磨かれているようですが、
本来、どんな難解なレーンでも“アマチュアとは違って”しっかり攻略でき
「さすがはプロ」と思わせるのがプロの技術のはずなのにそういう技術は必要とされなくなっているような傾向なので、
それがとても残念なのです。
 普段から要求されなければいかにプロでも技術など上がろうはずがありません。
もう10年近く前ですが難解なレーンコンディションで各女子プロボウラーが苦しんでいる大会で
あるシードプロ(つまりトッププロ)が非公式な発言として
「このレーンに合うボールが欲しい」と話していたことがあります。
 これをボウリングの知識がないいわゆる他スポーツの一流選手が聞いたらどう思うでしょうか?

「ふ〜ん、ボウリングはレーンコンディションに合わせてボールを選ぶ競技なんだな」
と好意的にとらえるでしょうか?
それとも
「え?どんな難しいレーンコンディションでもそれを攻略する技術を競うのがプロなんじゃないの?」と感じるでしょうか?

たぶん後者です。

でもボウリング界の内側では前者的発想が許されています。
そうなってしまったのは競技者側というより運営側の責任なのだと思います。
 それも好意的にとらえれば
「ハイスコアが出たほうが知らない人に“さすがはプロ”と思われて格好がいい」
というような理由からだと思いますので全否定もできません。

 この問題は今に始まったことではないのですが、でもそろそろ
「プロはアマチュアとは違い常に難しいレーンコンディションの下で投げているのでスコアが悪くても仕方ないのです。
それをいかに攻略するかを観て下さい」
という発想に改められないものか?と私は思っています。
 啓蒙活動のようなものですが、それによって年間アベレージが一気に20ぐらい悪くなっても
実は技術そのものの向上に繋がるのならいいのではないでしょうか?
 どんなにハイスコアレーンでハイスコア連発の大会を開催したって、全然トーナメントは増えていないですし、
むしろ減る一方です。つまりスポンサー獲得に関してはこの“戦法”からは何のメリットも感じられません。
ハイスコアレーンでの大会運営にはあまり意味がないとも言えるのではないかと思います。
それならプロボウラーの技術(スキル)が高められるような運営方法のほうが将来的にもずーっと意味のあることだと思います。
そうすることによって(いいボールさえあればスコアが出せるスポーツではないという意味で)競技性を高めることにもなりますから、
それはオリンピックに採用されるべきスポーツであるというアピールにも繋がってくるでしょう。

 ということで、今年も明るい話題が正直のところ全然なかったボウリング界でしたが、1年間おつきあいいただきありがとうございました。

 とにかくボウリングを愛する皆さんにとって2016年がいい1年でありますように。

四家 秀治 (よつや・ひではる)

四家 秀治 (よつや・ひではる)

元テレビ東京アナウンサ− 2011年7月からはフリ−。テレビ東京在職中は、ボウリングの実況を多数経験。東京運動記者クラブボウリング分科会代表幹事と、武部勤衆議院議員が会長であるボウリング評議会の理事を2011年3月まで務めた

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