四家秀治の「ナイス!ピンアクション」−60

 堂元美佐プロ(提供:JPBA)
堂元美佐プロ(提供:JPBA)
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●“戦う女子プロ”堂元美佐プロ

 「あべちゃん」
 ボウリング業界関係者の中で、今も彼女をこう呼ぶ人は少なくありません。
 クレヨンしんちゃんのものまねをやらせたら天下一品といった親しみやすいキャラクターがそうさせているのだと思います。
 昨年12月14日に入籍し「堂元」と姓が変わり、
JPBA(日本プロボウリング協会)の登録名も堂元美佐となったので、
もうほんとうは「阿部」ではないのですが、
私が彼女と話していてつい「あべ…」と言い間違えても、
「あっ、全然…。そう呼ぶ人、今もたくさんいますから。大丈夫ですよ」
とやさしくフォローしてくれます。
 その堂元美佐プロ(JPBA35期)の強さが、このところ目立ってきました。
 3年前、MKチャリティカップで初優勝を飾ったあたりから注目はしていたのですが、
なかなかじっくり話を聞く機会がないまま、時間が経過。
今年初の公式戦である関西オープンを制し、2勝目をあげたところで
ようやくそのタイミングを得ることができました。
 昨年は優勝こそなかったものの、ポイントランキングは自己最高位の2位。
そのため、今年初頭に行われた「PBAジャパンインビテーショナル」にも出場権を得て、
JPBA所属のプロとして、その存在感を示してくれている今や日本を代表する女子プロでもあります。

堂元美佐プロ(提供:JPBA)
堂元美佐プロ(提供:JPBA)

「3年前のMKで初優勝の少し前に、所属のセンターを辞めたんです。
だから私はそれ以来、基本的にトーナメントの賞金だけが収入源。
もちろん、プロは皆、トーナメントには全力で立ち向かっていると思いますが、
センターを辞めたことでより集中して取り組めるようになりましたね。
具体的に言いますと、例えば、そのボウリング場のオイルパターンを始め、
レーンの材質も含めたレーンコンディションの変化の傾向などを
徹底的に分析、データ化し、本番に臨んでします。
このデータは各ボウリング場ごとに作っています。
今回の関西オープンでもボールは30個ぐらい持っていきましたし、
それを試すために大会2日前に現地入りしました。
それから私、プロになる2年前にドリラーの資格を取っていますので、
今もドリル、レイアウトは自分でします。
結構自分で納得いくまでやらないと気が済まないタイプなんで。
え?性格的には男っぽいと思いますよ」

 オヨッ!?
 見かけとは違って(失礼!)、実は細かくこだわりを持って強い意志で臨むタイプだったのです。
「ボールのドリル、レイアウトを自分ですることで、
単にレーンコンディションに合わせるということだけではなく、
自分の投げ方も含めた自分にとって投げやすいボールをと追及していくと、
結局30個もボールを持っていくことになってしまうのです。
これは信じていただけないかもしれませんが、関西オープンで“ゾーンに入ってしまった”ときなど、
アプローチで構えたときにストライクが出る感覚が出来上がっていましたし、
他の選手が構えたときにもストライクが出るか出ないかわかる感覚になっていました」

堂元美佐プロ(提供:JPBA)
堂元美佐プロ(提供:JPBA)

 私は常々、
「ボールに頼らないボウリングを!」
とこのコラムで主張し続けてきましたが、ここまで繊細にボールを追及している話を聞かされると、
反論のしようがありません。現行の許されているルールの中で最善を尽くし、最高のパフォーマンスを追及するのは、
生活をかけて戦っているトーナメントプロとしては当然のこと。
 無論、プロなら、彼女だけでなく、皆、強い意志で勝つための研鑚を積んでいることでしょう。
『今』のボウリングとはそういうスポーツなのだということなのかもしれません。
 それについて私がどうこう言える立場ではありませんから。
 私の主張は「ボウリングはボールに頼らないで戦えるスポーツであってほしい」ということでもあるので、
私の主張はもはや、競技運営も含めた全世界的なボウリングというスポーツそのものの抜本的な考え方が変わらない限り、難しいことなのかな?
というふうにも改めて感じます。

堂元美佐プロ(提供:JPBA)
堂元美佐プロ(提供:JPBA)

 そこまで聞いても一つ気になったのは彼女の体型でした。
どんどん雄大になってきているので、恐る恐るそれを質問しようかな?
と思っていたところ、
「私、どんどん体重が増えているのがわかると思います。でも、調べたら体脂肪率は全然変わっていないんです」
と私から聞くまでもなく彼女自身の口から体型についての説明が返ってきました。
つまり自己管理がおろそかになって体型が太ったのではなく、筋肉が増量し、パワーがついたということのようでした。
 「ウエイトトレーングですか?一時やめていましたが、またやっていますよ。
ただし、今の私のボウリングを維持するための体力づくりとでもいうのでしょうか。そんなトレーニングです」
 一見ホンワカムードの堂元美佐プロ、ところが内実は、正に戦う女子プロそのものであることがわかった今回の取材でした。
 さて、こういう“戦う女子プロ”と会うと改めて感じるのがトーナメントの少なさ。

 業界関係者の皆さん、お願いします!!

四家 秀治 (よつや・ひではる)

四家 秀治 (よつや・ひではる)

元テレビ東京アナウンサ− 2011年7月からはフリ−。テレビ東京在職中は、ボウリングの実況を多数経験。東京運動記者クラブボウリング分科会代表幹事と、武部勤衆議院議員が会長であるボウリング評議会の理事を2011年3月まで務めた

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