世界への扉ひらく

イワウチワ(新潟)
イワウチワ(新潟)



●経営マインドをもつ人材が活躍 ファーストリテイリング会長兼社長 柳井 正 氏  1949生

 日本ほど海外に依存している国はない。国内に閉じこもっていたら自滅してしまうので早くから海外展開を進めてきた。デジタルイノベーションによって服の世界も大きく変わる。商品の企画、生産、物流、販売の全プロセスがインターネットでつながり、同時進行していく時代になる。誰もが様々な情報に自由にアクセスできる。

 当然、消費者の意識や行動も変わってくる。極端なことを言えば、お客様が自分だけの商品を工場に注文して、工場から直接お届けする、といった時代になるのではないか。国境の壁がどんどんなくなり、新たなサービスも次々生まれる。グローバル展開している我々にとって大きなチャンスだ。

 世界中の社員に経営者マインドを身につけて欲しいと考えている。経営の原理原則を理解し、実行して成果を出すことが重要だ。自分の頭で考え、未来に向けて絶えず挑戦していく。会社の将来についても具体的に話すことができる。それがグローバル人材だ。

 海外の事業会社は社員の国籍も様々だ。日本人は悪い癖でつい構えてしまう。自分がオープンになって相手のことを理解して欲しい。考え方も8割、9割が同じで、違いは1割、2割程度だ。違いばかり考えるからコミュニケーションがうまくいかない。共通部分の方が多いということを頭に入れた方がいい。そして何のために仕事をして、達成する水準が何で、それをどういう方法で実現していくのか、その道筋を明確に示す。しかも仕事の仕方も効率的でないといけない。

カンアンドラ(由布島)
カンアンドラ(由布島)

 社内公用語を英語にしたが、英語はあくまでも道具。日本人は日本語で考えて英語でしゃべる。いま海外で活躍している人のほとんどは、最初は英語ができなかった。経営者マインドを持っていたから、英語を勉強したらどんどん仕事ができる。反対に英語ができても中身のない人は活躍できない。

 海外で事業展開するとき、三つの問いがある。一つ目は「どこから来て、この国でどんなことをするのか」、二つ目は「この国にとってどんな善いことをしてくれるのか」、三つ目は「世界に対して、どんな善いことをやっているか」。ビジネスだけではだめだ。社会貢献活動を積み重ねていく必要がある。そして「『ユニクロ』があって本当に良かった」と感じていただく。

 服がなく困っている人がたくさんいる。UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の協力のもと、全商品リサイクル「1000万着のHELP」プロジェクトを掲げ、世界の難民、避難民の方々に回収した服を届ける活動を始めた。発展途上国に雇用の場もつくっている。グループの企業理念「服を変え、常識を変え、世界を変えていく」を推進していく。

 今年2月、日本で学ぶ学生を対象に海外インターンを実地した。約70人が参加し、上海、シンガポール、台北、メルボルン、ロンドン5都市の店舗で1週間のプログラムを通じて、店が抱える課題の解決などにも挑戦した。グローバルに働くとはどういうことなのかを実際に体験してもらった。

 僕は学生時代、世界を1周した。すごく見聞が広がった。いまの自分をつくってくれた。どこにいてもグローバル化は避けて通れない。国内だけで物事を考えても意味がない。海外に出ていくと日本の良いところや悪いところが分かる。はじめて自分を相対化できる。学生に対しては「海外はおもしろいぞ。ぜひ行ってください」と言いたい。

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