四家秀治の「ナイス!ピンアクション」-64

 坂本凛選手(提供:JPBA)
坂本凛選手(提供:JPBA)
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●ジャパンオープン アマチュアの大活躍に期待

 今年もいつの間にか10月ですが、今月は7月に開催された東海オープンのことを話題にさせてください。
 皆さんご存じのように女子は高校を卒業したばかりのアマチュアの選手が優勝しました。
 また、4位には高校3年生のアマチュア選手が入りました。

 昨年、同じ東海地区で行われたジャパンオープンでは中学3年生が優勝、
高校1年生が3位になりましたが、その3位だった当時高校1年生の坂本かや選手はプロ志向が強く、
本人にとっては予定の路線であるプロテストに今春挑戦し、無事合格。
晴れてJPBA49期の現役女子高校生プロ、今風に言えばJKプロとして活動しています。
 残念ながら坂本かやプロもジャパンオープン優勝者の現高校1年生の選手も
東海オープンには出場していませんでしたが、そんなこととは関係なく
まだ経験の浅いアマチュア選手が優勝と4位でした。
 では、この活躍した2人のアマチュア選手、いかにして上位に行ったのでしょうか?
 私は大会の取材には行けなかったので公式記録から私なりに内容を分析しました。

 この大会の予選は10Gです。そのトータルピンで上位36人が準決勝に進出できることになっていました。
ここでその36人を3人ずつ12のブロックに分けて4Gを行い、各ブロック1位の選手12人を決めます。(シュートアウト方式)
さらにその1位の12人を4人ずつ3つのグループに分け
それぞれのグループで総当たりのラウンドロビン4G(ポジションマッチを含む)を行い、
1位の選手3人と各グループ2位3人の中から最も成績のよかった1人の
計4人による決勝シュートアウト(1G)で2人の決勝進出者を決め、
最後に1Gマッチで優勝者を決めるという方式でした。

 優勝した18歳の選手は予選10位、4位に入った高校3年生は予選通過ギリギリの36位でした。
 ちなみに準決勝に残ったアマチュアはこの2人だけですが、おわかりのように2人とも予選はたいして目立った成績ではなかったのです。
 ところが、準決勝の4Gで2人とも堂々ブロック1位になります。
 36位だった高校3年生は予選1位のプロと同じブロックですから、
なぜそんなに調子のいいプロがアマチュアの高校生に負けるの?
です。

坂本凛選手(提供:JPBA)
坂本凛選手(提供:JPBA)

 さらに決勝グループラウンドロビンでも、優勝した18歳が2勝1敗1引き分け、4位の高校3年生は3勝1敗でともにグループ1位。
 ここで改めて申し上げるまでもないですが、
アマチュアはマッチゲームの試合方式を少なくとも公式戦では普段あまりやりません。

まして、

シュートアウト?

ラウンドロビン?

というぐらいこの2つの方式は経験が浅いはずです。

 それが2人とも文句なしの1位で決勝シュートアウトに進出してしまい、しかもそのうち1人が優勝…。

 女子にはマッチゲームでアマチュアに分が悪いプロしかいなくなってしまったのでしょうか?

 この東海オープンの方式には
「トータルピンだけがよくてもダメ、マッチゲームに強い選手に勝ってほしい。
そのような勝負強いプロにチャンスを!」
という意図が感じられます。だから予選で36位までに入れば、
あとは勝負強さで優勝できるチャンスが与えられているわけです。
ところが、実はそのチャンスを活かして36位から4位に食い込んだのは高校3年生のアマチュアであり、
10位だった18歳のアマチュアはプロを次々になぎ倒して優勝してしまったのです。
この由々しき事態をプロはどう受け止めているのでしょうか?

 まさか「トータルピンでの争いならプロは負けるはずがなかった。
たまたま大会運営方式に助けられてアマチュアが勝っただけさ」
などという不遜な発言をするプロはいないと思いますが…、プロの弱さにはあきれるばかりです。

 もはやアマチュアがプロの大会(オープントーナメント)を席巻しようと驚きもしませんが、
今年の東海オープンの女子については、プロの負け方が昨年のジャパンオープンよりさらに情けなく感じます。

 ところで、何年も前から

“東海地区がジュニアの育成に力を入れている”

ことは広く知られています。

 昨年ジャパンオープンに優勝した中学生も東海地区ジュニアの選手ですし、
東海オープン優勝の18歳も4位の高校3年生も東海地区の選手です。
確かな育成が結果に結びついていることは疑う余地がありません。
しかし…

「いいジュニアがたくさん育っていて東海地区はすばらしいですね。
私がいる〇△地区でも見習わなければいけないと思います。
その調子で技術を磨いてプロ目指してがんばってください。そして将来は私に勝てるように!」
というようなコメントを優勝したプロがベストアマチュアの選手について述べ、
アマチュアも「やはりプロは違う。もっと練習しなければ」と、
さらにがんばって日本全体のボウリングのレベルが上がる…
というのが『本来あるべき姿』だと思いますが、
今のボウリング界においては、
そんなことは望むべくもなく
「東海地区はすばらしいので負けました。プロも、またがんばります」
となってしまっているわけです。

やれやれ…。

坂本凛選手(提供:JPBA)
坂本凛選手(提供:JPBA)

 リオデジャネイロオリンピック開幕前に
2020年東京オリンピックでの追加種目にボウリングが含まれないことが正式に発表されました。
それについてJBC(全日本ボウリング協会)から何のコメントもなかったのが私には一番残念でしたが、
これだけプロの弱さが露呈されると
「そんなことはもうどうでもいいや」
と思ったのも事実です。

 ひねくれ者の私は、来月のジャパンオープンも昨年に続いてアマチュアの大活躍に期待しています。

四家 秀治 (よつや・ひではる)

四家 秀治 (よつや・ひではる)

元テレビ東京アナウンサ- 2011年7月からはフリ-。テレビ東京在職中は、ボウリングの実況を多数経験。東京運動記者クラブボウリング分科会代表幹事と、武部勤衆議院議員が会長であるボウリング評議会の理事を2011年3月まで務めた

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