四家秀治の「ナイス!ピンアクション」-68

 姫路麗プロ(提供:JPBA)
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●難解なコンディションを攻略してこそ「プロ」

 先月は正月っぽい話しをさせていただきましたが、今月はちょっと時計を戻して
昨年暮れに開催された男女の全日本プロボウリング選手権についてです。
 皆さんもご存じのように、優勝は男子が遠藤誠プロ、女子が姫路麗プロでした。

 今回は、難しいレーンコンディションで、皆、スコアメイクに苦しんだようです。
 決勝ステップラダーでの優勝決定戦のスコアは
男子が179-177、女子が198-192。
 フォースだ、フィフスだ、ストライクが途切れた方が負けだ、などという
緊張感があるようでないストライク合戦よりはるかにスリリングなゲーム展開でした。
 全日本選手権優勝決定戦で男女ともに一人も200アップしなかったことなど
大会のすべての歴史を調べたわけではないですが、なかったのではないでしょうか?
 あったとしても大変珍しいことだけは間違いありません。
 例えば女子の2011年は松永裕美プロが299、2012年は姫路麗プロが300で優勝を決めています。
 高スコア目白押しの全日本選手権ですから。

姫路麗プロ(提供:JPBA)
姫路麗プロ(提供:JPBA)

 JPBA(日本プロボウリング協会)が
 「全日本選手権は難しいコンディションを攻略することに意義がある」
 と考えたのなら大変結構なことです。

一方で、 
「プロの大会なんだからスコアが悪いと、素人が見たら
『な~んだ、プロといったってこんなスコアしか出ないんだ。
プロボウラーなんてたいしたことないじゃん』
と思われてしまうからあまり難しいレーンコンディションにはしない」
という考え方があるようですが、私は、以前からこれには否定的です。

 ボールが優秀だからハエの止まるようなボールでも
レーンコンディションが難しくなければ200など軽々と出てしまうのが近現代のボウリング。
老若男女、すべてが楽しめるスポーツと言う意味ではボールの進化が果たした役割は大変大きいですが、
逆にプロボウラーのハイスコアになど感動はあまりなくなっているのです。
 だから巷のボウリング場のレーンと大差ない程度のコンディションで
ハイスコアの打ち合いなったって、プロの権威など見せることはできないと私は考えます。
だって、毎日、全国のボウリング場で、腹の出たオッサンボウラーでも
パーフェクトゲームを頻繁にと言ってもいいぐらい出しているのです。
 ハイスコアの打ち合いになっても、素人は騙せても
ボウリング腕自慢のオッサンは、きっと
「これぐらいオレでも出せるぜ」
といったところでしょう。

遠藤誠プロ(提供:JPBA)
遠藤誠プロ(提供:JPBA)

 もう何度も申し上げてきたように、難解なコンディションの攻略をしてこその「プロ」だと思います。

 2ヵ月前、「アマチュアにしょっちゅう負けるプロ」と書かせていただきましたが、
アマチュア、特にJBC(全日本ボウリング協会)の選手はかなり難しいコンディションで日頃から投げていますから、
ある意味、プロより対応力があるのかもしれません。
これは、プロボウラーがヌルイと言っているのではなく、
エンターテインメント性重視、ハイスコア重視となると、当然
レーンコンディションはやさしくなり、そこでばかり投げることになるわけで、
当然、対応力は身につきにくくなります。
ハイスコアレーンで、どうハイスコアを打つか?
というのも技術のうちですが、そればかりが重視されたら違うスキルは伸びないのも当然です。

 プロボウラーの資質がアマチュアより劣るはずはないのですから、
プロボウラーのスキルが伸びる環境をボウリング業界は考えるべきです。

そのためには・・・
やはりトーナメントを増やすことでしょう。

 トーナメントが少ないとトップボウラーでも
生活のためにチャレンジに日参し、そこでの簡単なコンディションでアマチュアの方と投げなければなりません。
つまり、仕事の中心がプロチャレになっているのが現状です。
そんな日々では、競技スポーツとして仕事の合間に貴重な時間を割いて
真剣にボウリングに取り組んでいるアマチュアにプロが勝てなくても
何ら不思議はないと言えるでしょう。

遠藤誠プロ(提供:JPBA)
遠藤誠プロ(提供:JPBA)

 全日本選手権で上位入賞のある女子プロが
「ボウリングってこんなに難しいのかって思うくらい難しいレーンでした」
と発言しています。
私に言わせれば「難しいレーンコンディションを攻略するのがプロ」なんだから
エッ?そんなこと言っちゃうの?って感じです。
これはこの女子プロの考え方が甘いのではなく、
こんな発言をさせてしまう状況にしたボウリング業界そのものに
問題があると思います。

 失礼ながら、この女子プロは、簡単なレーンコンディションでばかり投げ、
気持ちよくストライクを連発する日々を送っているからこんな発言をすることになるのです。
それが、「プロボウラーのあたりまえの日々」であるなら、自然と口をついてでてきてもおかしくはありません。
 プロは、強くなるために難しいレーンコンディションで苦労してストライクを出す日々を送ってほしい。

 古い話で恐縮ですが、1970年代、子どもの頃の私が見たプロボウラーは皆、そうでした。

四家 秀治 (よつや・ひではる)

四家 秀治 (よつや・ひではる)

元テレビ東京アナウンサ- 2011年7月からはフリ-。テレビ東京在職中は、ボウリングの実況を多数経験。東京運動記者クラブボウリング分科会代表幹事と、武部勤衆議院議員が会長であるボウリング評議会の理事を2011年3月まで務めた

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