四家秀治の「ナイス!ピンアクション」-69

 姫路麗プロ(提供:JPBA)
姫路麗プロ(提供:JPBA)
第69回
第68回
第67回
第66回
第65回
第64回
第63回
第62回
第61回
第60回
第59回
第58回
第57回
第56回
第55回
第54回
第53回
第52回
第51回
第50回
第49回
第48回
第47回
第46回

第45回
第44回
第43回
第42回
第41回
第40回
第39回
第38回
第37回
第36回
第35回
第34回

第33回
第32回
第31回
第30回
第29回
第28回
第27回
第26回
第25回
第24回
第23回
第22回
第21回
第20回
第19回
第18回
第17回
第16回
第15回
第14回

第13回
第12回
第11回

 
 第10回
第9回
第8回
第7回
第6回
第5回
第4回
第3回
第2回
第1回

●「う~ん」と唸るようなプロの技術を見せていただいて、優勝者を祝福したいもの

 2017年1月27日、公益社団法人日本プロボウリング協会(JPBA)は創立50年を迎え、
その記念パーティと、記念トーナメントが都内で行われました。
 記念トーナメントは、男女のレギュラーと男子のシニア、計3部門をいっぺんに行うという
豪華版。
 会場は東京ドームボウリングセンターでした。

 同時に日本プロボウリング界初の殿堂入り表彰も行われ、亡くなった方も含め、19人が殿堂入りし、パーティ会場で表彰されました。

 50周年は大変おめでたいことですし、殿堂入り表彰も素晴らしいことだと思います。
 私のボウリング好きもJPBAなくしては絶対なかったわけで、ここまでの関係者の方々の御努力には、改めて感謝と御礼を申し上げます。

 記念パーティには不肖、私も招待していただいたので、出席しました。
 関係者、功労者、そして我々メディアには席も用意していただきました。
 大変ありがたいことです。

姫路麗プロ(提供:JPBA)
姫路麗プロ(提供:JPBA)

 でもそのとき思ったのです。

 58歳の私より若いメディア関係者がほとんどいない。「元・・・」の〇〇さん
という方ばかりです。
ここで言う「元・・・」は現役を引退された方のことです。
私も元テレビ東京ですが、今も現場に足を運び、ボウリング報道に携わっていますので、引退はしていません。
しかし、招待されているメディア関係者の多くは「かつて」ボウリング報道にご活躍された方々だったのです。いわば功労者扱いです。

 そもそも「50周年」についての紹介などJPBAのホームぺージぐらいにしか載っていません。
 日本のスポーツの歴史において、今まで、世間に少なくはない影響を及ぼしてきた
プロの団体の一つである日本プロボウリング協会が
創立50周年を迎え、しかも初の試みとして殿堂入り表彰まで行ったのに
全くと言ってもいいほど報道されていません。

 それもそのはずです。
 ボウリング専門以外のメディアは事実上、取材に来ていないんですから。
 JPBAが各メディアに「創立50周年」を伝えているのに関心を持たれず取材に来ないのか?
 それとも、初めから全く伝えていないのか?
 いずれにしても、この状況は
悲しいかな
JPBA創立50周年など一般的にはもちろんのことスポーツ界全体で見ても
ほとんど報道に値しないということです。

 パーティは、大変盛大でしたが内輪のパーティのようでもありました。
 ボウリング業界関係者の方々にとって、それでもいいのでしょうか?
 私は誠に残念であると思います。

久保田彩花プロ(提供:JPBA)
久保田彩花プロ(提供:JPBA)

 私がボウリングに深く関わってからでも20年以上経っていますが、
その間、ボウリングがスポーツとして少しでも世間に認識されるようになったか?
といえば、それも疑問で、たぶん日本の全人口の半分以上は
「えっ!?ボウリングって(トーナメント)プロがいるの?」
です。
 ボウリングは競技スポーツではなく、レジャーの一つでしかないというのが多数派の認識であるのもほぼ間違いありません。
JPBAは、
「ボウリングを職業」としている人たちの団体です。
プロスポーツ選手の組織として、
「プロボウラーのあり方」を示し、今後も発展していただかなければいけないと考えます。
毎年、男女合わせて最低でもだいたい10人以上はプロが誕生しています。
彼らの将来のためにも、がんばっていただきたいと願わずにはいられません。

久保田彩花プロ(提供:JPBA)
久保田彩花プロ(提供:JPBA)

 さて、開催された3つのトーナメントですが、
大変なハイスコアの連発、つまりハイスコアレーンでの開催でした。
ストライクが出る出る…。しかし、私の心は冷めるばかりでした。
掉尾を飾った女子優勝決定戦がスコア上は大変な盛り上がりになったのは現場に行かれた方も、あるいはCS放送でご覧になった方もご存じだと思います。
1ピン差で久保田彩花プロ(JPBA48期)が公式戦初優勝しました。
しかし、内容はといえば・・・
久保田プロの対戦相手である名和秋プロ(JPBA35期)が2フレで少しばかりの不運があって⑦-⑩、オープンとしてしまい、久保田プロがリード、それでも名和プロも集中力を切らさず、5フレからほぼ完璧なストライクを続け食い下がり、一方の久保田プロも投球は不安定ながらボールがポケットに集まり、ストライクが続きますがついに8フレで途切れ、久保田プロのリードは2ピンに縮まって10フレへ。淡々と投げる名和プロはとうとう最後までストライクが途切れず8連発でフィニッシュ。
久保田プロもなんとか持ちこたえ9フレからターキー。10フレ最後の1投で9ピン以上倒せば優勝ですが、端から見ても緊張感がありあり。リリースもめちゃくちゃで外へ。そのまま薄めに入って、バタバタと9本倒れて優勝となったのです。
久保田プロ自身も「ヒザがガクガクでした」と直後に話しています。

名和 秋プロ(提供:JPBA)
名和 秋プロ(提供:JPBA)

もちろん、それでも記念すべき大会に名を刻んだ見事な優勝で、
実績のある名和プロの猛追を振り切ったのはとにかく立派でした。

 さて、ここからは、私のいわば戯言です。
 優勝が決まる1投を緊張してヒザがガクガクの状態で投げ、しかも明らかな失投なのに9本も倒れてしまう…。
「ボウリングとはそういうスポーツ」と言ってしまえばそれまでですが、優勝決定戦での久保田プロはそれ以外のフレームでも、
「え?そのボールがストライクになっちゃうんだ」
というのが何回かありました。
少なくとも名和プロの投球のほうが優勝決定戦の1Gに関する限りは全体的に内容が上でした。
先月も申し上げた

『フォースだ、フィフスだ、ストライクが途切れたほうが負けだ、という緊張感があるようでないゲーム』

の典型がこの女子の優勝決定戦だったと思います。
「緊張してヒザがガクガクして」失投しながら優秀なボールとレーンコンディションによって9本倒れるというのは
少なくとも私がプロのトーナメントに求める技術ではありません。

ハイスコアレーンにするとスポーツが持つ最大の魅力である

“筋書きのないドラマ”

が安っぽいものになってしまうのではないか?と改めて感じた大会でした。

寺下智香プロ(提供:JPBA)
寺下智香プロ(提供:JPBA)

 繰り返しますが、コンディションは皆同じ、その中で最もいいスコアを出したのが久保田プロですから、久保田プロの優勝はすばらしいのです。

 50周年だから華々しいスコアで!

 という演出だったかどうかは知りませんが、それで盛り上がったのならそれはそれで結構。

 今後は、プロのトーナメントでは、思わず「う~ん」とうなるようなプロの技術を見せていただいて、
優勝者を祝福したいものです。

 そんな中、リアルプロ(というのもおかしな言い方ですが)川添奨太がついに画期的な勝負に出ました!
それについては来月以降に。

四家 秀治 (よつや・ひではる)

四家 秀治 (よつや・ひではる)

元テレビ東京アナウンサ- 2011年7月からはフリ-。テレビ東京在職中は、ボウリングの実況を多数経験。東京運動記者クラブボウリング分科会代表幹事と、武部勤衆議院議員が会長であるボウリング評議会の理事を2011年3月まで務めた

前の「記事」へ戻る 「全公協たより138」へ 次の「記事」へ進む

 全国ボウリング公認競技場協議会「トップページ」へ 「全公協たより・目次」へ