四家秀治の「ナイス!ピンアクション」-73

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●プロトーナメントを「毎年少しずつでも増やす」実現あるのみ

 5月下旬、ゴルフの宮里藍さんが今季限りでの引退を表明しましたね。
 また今年4月にはフィギュアスケートの浅田真央さんも引退を表明。
 この2人のビッグネームの引退会見は大変な話題になりました。

 私が以前勤めていたテレビ東京は、宮里藍さんがプロゴルファーとしてデビューするはるか前から
女子プロゴルフのトーナメントをたくさん中継していました。
でもそれは「営業」として成立していたからであって、
視聴率は惨たんたるものでした。(蛇足ながらテレビ東京は、
テレビの歴史上最も多くのボウリング中継をしてきた放送局です。
Sky.Aがどんなに多くのボウリング中継を今後行ったとしても
テレビ東京以上の本数になるためにはあと10年はかかるでしょう)

 当時の女子プロゴルフ界には強い選手はいてもスターと呼べるような存在がはっきり言っておらず、
日本のゴルフ人口は十分に多く、その人たちもゴルフ中継に
興味はあったものの「女子」となると敬遠していたのです。

浅田真央さん
浅田真央さん

 浅田真央さん以前のフィギュアスケートはどうでしょう?
 フィギュアスケートはゴルフと違って競技人口が多くない…
というより1部の例外を除いてほとんど「観る」スポ-ツです。
 伊藤みどりさんや荒川静香さんなどの活躍である程度、注目されはしましたが、
それは冬季オリンピックにおいてのみ。4年に1回だけのものであったと言っていいでしょう。
 それが、浅田真央さんの出現により、フィギュアスケートは、多くの大会で注目され、
テレビでもたくさん中継されるようになりました。

 ゴルフにおいても宮里藍さんの出現以降、女子プロゴルフ中継の視聴率はうなぎのぼり。

 宮里藍さんと浅田真央さんの、フィギュアスケート界、女子プロゴルフ界における貢献度は
計り知れないものがありましたし、これからもいろいろな形でお2人には大いなる活躍を期待したいものです。

 さて、この2人の引退報道のとき、私はやはりボウリング界との比較をしていました。
 フィギュアスケートは、一定年齢を越えて競技スポーツとして続けるのは困難ですから引退はやむを得ないですし、
その後は「プロスケーター」として活動するほうがいいという決断もわかります。
そして、まずトップフィギュアスケーターとしてオリンピックなど
世界で活躍するようになるためには他のスポーツ以上に英才教育が必要不可欠。
全くボウリングとは次元の違うスポーツだと思います。
 しかし、ゴルフはボウリング同様、生涯スポーツです。かなり高齢の女子でも「引退宣言」などせず、
現役としてがんばっているプロゴルファーの方はたくさんいらっしゃいます。
それでもトーナメントプロとしては引退すると宮里藍さんは決めたわけです。

 そこにゴルフとボウリングの置かれている状況の大きな違いを感じます。

 女子プロゴルファーでシード入りしている選手は、他にも収入源はあるかもしれませんが、
基本的にトーナメントの賞金で生活していますし、生活できます。
世界ランク1位にもなった宮里さんクラスなら、
引退しても、その後の生活の心配など全くと言っていいほどありません。

 しかし、ボウリング界では(こんなことをこのコラムで繰り返し述べるのは心苦しいですが)
女子プロボウラーでトップレベルに君臨する方たちでさえ、
トーナメントの賞金だけでは生活できません。
つまり
「プロになった以上、トーナメント以外でもボウリングを生業として生きていく」
ために、そう簡単に引退などできないのです。
女子よりトーナメント数が少ない男子は言うに及ばずです。

 プロボウリングの公式戦は全盛期である1970年代前半に比べたら10~20分の1程度、
もうすでに十分マイナーなスポーツとなっていた1990年代あたりと比べても半分以下に減ってしまっています。

 今春、JPBA(日本プロボウリング協会)は会長以下、理事が大幅に入れ替わりましたが、
新体制は、はっきりとこの状況を何とかしなければと謳っていますし、実際に動きも出ていると聞きます。

 このままだと、今でも少なすぎるのに来年、確実にまたトーナメントは減ってしまうということですから、

 「なんとか減らさないように」

 ではなく

 「毎年少しずつでも増やす」

 ことを目標ではなく実現させていただきたい
 と願うばかりです。

 新体制のJPBAには、期待というより、実行、実現、あるのみ。

 とても大変でしょうが、それが使命だと思います。

四家 秀治 (よつや・ひではる)

四家 秀治 (よつや・ひではる)

元テレビ東京アナウンサ- 2011年7月からはフリ-。テレビ東京在職中は、ボウリングの実況を多数経験。東京運動記者クラブボウリング分科会代表幹事と、武部勤衆議院議員が会長であるボウリング評議会の理事を2011年3月まで務めた

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