城がある原風景を守りたい−1

 国宝 大山城
国宝 大山城
第1回

●城がある原風景を守りたい 公益財団法人 犬山城白帝文庫理事長 成瀬淳子 氏 1964生

 今年で犬山城拝領400年。初代の成瀬正成(1567〜1625)にとって、初陣だった小牧・長久手の戦いで、敵方として対峙した城でした。木曽川に挑む名城を将軍家から拝領し、思い入れは格別だったはずです。以来、成瀬家は、のちに国宝にも指定されるこのお城を守るために、いる存在です。

 明治24(1981)年の濃尾地震で破損し、自費での修復を条件に返されます。旧家臣や城下の人たちからも寄付がありました。成瀬家は尾張徳川家の家老。犬山の政治は地元の家臣に委ねていたので、家臣や城下にも、お城への親しみがより強かったのかもしれません。

 お城を所有した個人は、平成まで続いたうちが最後です。成瀬家は明治以降は東京に住んでおり、「お城には次の代にならないと連れて行かない」と言われていたので、私が初めて見たのは祖父がなくなった翌年、小学3年生のときです。実は最初に見たお城は名古屋城だったので、犬山城を見て「うちのお城は木なんだ」と思ったんですよ。

 お城を持つのは気楽なものではありません。お金もかかります。弱いのは台風です。瓦がとんで漆喰がかけたときは、修理に数百万円かかりました。財団を設立したのは、相続税を含めて、とても個人では負担しきれないと考えたことが一つの要因です。

(つづく)

前の「記事」へ戻る 「全公協たより143」へ 次の「記事」へ進む

 全国ボウリング公認競技場協議会「トップページ」へ 「全公協たより・目次」へ