四家秀治の「ナイス!ピンアクション」-75

 
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●ボウリングの人気回復のための努力をコツコツと

 先日、あるトーナメントの取材でボウリング場に行ったときのことです。
それは雑誌だったので、同行のフォトグラファーが「ボウリングは初めてです」
と言っていろいろと質問してきました。
とても興味があるというようなニュアンスでした。
彼はまだ若く、私がこのコラムで何度も述べてきたブームの頃については
全く知らないということなので、そういう人には必ずする
「定番のようのようなその時代の話し」をしました。

 私がする内容はいつもだいたい決まっています。

・テレビのボウリングレギュラー番組が最盛期は週17本あったこと
・だから毎日テレビをつければイヤでも“ボウリング番組を見させられた”こと
・人気女子プロボウラーのキャラクターが出来すぎていたこと
・ボウリング場はいつも超満員で、3時間待ちぐらい当たり前だったこと
・安くやろうとして早朝割引目当てに朝5時ぐらいから並んでもそこはすでに長蛇の列だったこと…etc.



3番目の女子プロボウラーのキャラクターについては、
異論のある方もいるかもしれませんが(ここでは敢えて名前は挙げませんが)
非常にキャラクターがはっきりしていらっしゃった
人気上位の数名の女子プロボウラーを中心にあの

This is a boom.

と言い切ってもいい空前のボウリングブームがやってきた

と私は思っています。

だから、あのブームについて説明するとき、最後には必ずこう付け加えるのです。

空前のブームでしたが、はっきり申し上げて
ボウリング界に仕掛け人がいたわけではありません。
でも自然に盛り上がったから人気が下火になったら
どう盛り上げたらいいのか誰もわからない。
これがボウリング界の悲劇なのです。

と。

もちろん、ボール革命が行われて、ボウリングが急激に変わったこと、
見た目は同じでもブームの頃と今とでは
全く違うスポーツになったことも説明しました。

 今までいったい何10回いろいろな方に同じ説明を繰り返したかなと今回も思いましたが、
ボウリングの写真撮影が初めてという彼は
「大変よくわかりました。ありがとうございました」と
にこやかに言ってくれました。
でも、トーナメント終了後、現場で別れ、その後、偶然会ったラーメン屋で
彼はもうボウリングについては何も私に質問せず、
食べ終わったらサッサと帰ってしまいました。
 ただ単に忙しかっただけなのか、早くもボウリングに興味を失ったのか、
それとも元々興味がなかったのに一応興味があるフリぐらいはしておかないと
私に失礼と思ったのか…
いずれにしても何となく寂しいと感じた私でした。



 さて、ボウリングは初めてというフォトグラファーのおかげで、
今月はさりげなく私が思っていることを書き連ねましたが、
「どう盛り上げていいかわからない」などという段階はとうに過ぎているボウリング界。

参考になるかどうかわかりませんが、
この夏、陸上の世界選手権を観ていて感じたことがあります。
日本が獲得したメダルは男子4✕100mリレー(銅)と男子50km競歩(銀、銅)のみでした。

日本の陸上といえば長年、マラソンを中心とする長距離が男女とも強く、
それは国内の人気という点だけでいえば今も変わりません。
陸上の短距離を中継したって大して視聴率は取れませんし、
競歩の中継など世界選手権かオリンピックでしか観ることはありません。

毎年秋以降、毎週のように開催される駅伝やマラソンのテレビ中継が
日本人は大好きで、高い視聴率を取ります。
だから陸上界の財源を担っているのは長年に渡って長距離で、
しかも少し前までは強さも兼ね備わっていました。
長距離以外の方々は肩身が狭かったとも聞きます。
私自身若い頃は陸上をやっていて万年予選落ちの
3流長距離ランナーだったので、長距離への思い入れはあるのですが、
今や日本の長距離は男女とも完全な2流国に成り下がりました。

昨年のリオデジャネイロオリンピックの
4✕100mリレー銀メダル獲得と50km競歩で荒井選手が銅メダルを獲得したことで、
リオ以降、日本陸上競技連盟は
短距離チームと競歩を重点強化種目に変更したのだそうです。
それに応えて今年の世界選手権で4×100mリレーも50km競歩もメダルを獲得したのです。

短距離も競歩も日本ではマイナー扱いされてきましたが、
(短距離は国際的にはもちろん昔から花形種目です)
コツコツと努力を積み重ねて栄冠をつかみ、そのことで評価されたら、その継続とさらなる発展を目指す体制が組織としてできているのです。
すばらしいと思います。



ボウリング業界の方々は、マイナースポーツになり下がったボウリングの
人気回復のための努力を今までコツコツと積み重ねてきたのでしょうか?

胸を張って

『してきた!』

と言うのなら私ごときが何も申し上げる資格はありません。
(それならなぜ、どんどん盛り下がるのでしょう?)

もしそうでないとするなら、明日からでもいい。コツコツと始めてください。

四家 秀治 (よつや・ひではる)

四家 秀治 (よつや・ひではる)

元テレビ東京アナウンサ- 2011年7月からはフリ-。テレビ東京在職中は、ボウリングの実況を多数経験。東京運動記者クラブボウリング分科会代表幹事と、武部勤衆議院議員が会長であるボウリング評議会の理事を2011年3月まで務めた

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