城がある原風景を守りたい−2

 
第2回
第1回

●城がある原風景を守りたい 公益財団法人 犬山城白帝文庫理事長 成瀬淳子 氏 1964生

 明治以降、成瀬家は奇数の時代に修理をしています。私は13代目にあたります。防犯のために監視カメラをつけ、耐震診断もほぼ結果がまとまりました。補強するにしても、鉄筋を入れるのは避けたいし、見た目ではわからないようにしなければなりません。学識者とも議論を重ねる必要があります。修理のために閉鎖することになれば、城下のお店にも大きく影響します。

 成瀬家が400年頑張ってきた理由は、見上げれば城がある原風景を守りたいから。いま、私は城下に住み、いつも犬山城が見えます。江戸時代、尾張徳川家の殿様は1代に1回、視察に来たそうですが、木曽川の対岸から眺めたのです。当時から、お城は風景なんです。

 風景としてのお城をどうするかは、1人の考えで進められる問題ではないと思います。全国のお城の再建も同じではないでしょうか。首長1人の思いではなく、周囲に生きている人たちの気持ちが尊重されるべきです。コンクリートにしろ木造にしろ、市民の合意をどうつくるかが最も重要ではないでしょうか。

 熊本城の復興にかける市民の強い思いに、成瀬家は熊本市民には負けるかもしれないと感じました。しかし、感動を与える城であり続けるため、「白帝城」の名に恥じない維持管理をしていきます。

(おわり)

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