米国ボウリング最新事情-15

 
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株式会社ファンキー代表取締役 船木寛

●米国ボウリング最新事情


 日本で、昨年2016年6月に政府が発表した日本再興戦略2016の『官民戦略プロジェクト10』の中の一つに、スポーツの成長産業化がありました。
 『官民戦略プロジェクト10』は、日本のGDPを 600兆円にするためのプロジェクトですが、スポーツの成長産業化を目指して、経済産業省とスポーツ庁が共同でスポーツ未来開拓会議を定期的に開催しています。
 そこでは、スポーツは官民が一体となり戦略的に取り組むべき“産業”である、として、スポーツ産業を2025年までに、2015年の市場規模の約3倍の15兆円の市場規模にするという目標を掲げています。
 スポーツ後進国である日本が世界に追い付くために、国が先頭に立ってスポーツ産業の振興を図るという、まるで明治維新か戦後のような日本得意のパターンですが、それを成功させるためには民間のスポーツ業界も「観る・する」の両面にわたって拡大し、根付かせる努力が必要です。



 「スポーツ産業を10年で3倍の市場規模にする」という目標は、アメリカのプロ野球:MLBを参考にしているのかもしれません。
 MLBの売上は、ここ10数年で売り上げが約3倍になり、ついに年間売上1兆円を突破しました。
 MLBは、一昔前までは1000円もしないような安い入場料売上が売り上げのほとんどを占めていましたが、今は入場料が内野普通席で1万円〜2万円ほどで、プレミアムスイーツと呼ばれるVIPルームの観覧席は高いものは年間契約料が4,000万円〜5,000万円の部屋さえあります。そして、そのVIPルームでは高級シャンパンや三つ星クラスの料理が出されますので、飲食の売り上げも急拡大しました。
 それに加えて、ネット販売によるグッズ売上の急増や、スポンサーの獲得、放映権収入の確保などにも成功して急拡大を続けています。



 米国のボウリング業界も急激に変化しています。古いボウリング場の淘汰が進む一方で、綺麗でオシャレなボウリング場の新設が増え、ボウリング場のイメージが格段に良くなりました。
 そのため、ファミリー層が増えて客層が若返ったばかりでなく、客単価が上昇し、ボウリングは投資効率が高く、キャッシュフローの良い、収益性の高いビジネスになり、銀行やファンドはこぞって投資を続けています。
 米国のボウリング産業の市場規模は6000億円を超え、参加人口も7000万人となり、参加人口1位のスポーツとなっています。 特に若年層の伸びが大きく、高校で成長率1位のスポーツになり、過去8年で男女高校生の参加率が倍増しました。
 ボウリング部のある高校は5,000校を突破し、高校生競技ボウラーが54,000人、ボウリング部のある大学は250校以上になったということです。
 このちょっとしたブームは、夏休み子供無料ボウリングの普及とそれに伴うジュニアボウリング教室の全米規模の開催によりジュニア層の底辺の拡大に成功したことと、リーマンショック後の企業のパーティ需要がそれまでの豪華リゾートや豪華客船からボウリング場にシフトしてきたことが大きく影響しているようです。

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