四家秀治の「ナイス!ピンアクション」-78

 
松永裕美プロ
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●トーナメントの増加と資金の増額

 早いもので、今年最後のコラムです。

 3年前を除いて、毎年、この時期にはジャパンオープンが開催されるので、
今年も、男女のチャンピオンを決める
マスターズ(男子)とクイーンズ(女子)について触れることにします。

 女子は、久々に実力者である松永裕美プロがその力を発揮、
堂々の優勝を飾りました。プロの優勝は4大会ぶりです。
2位に入ったのが新人でアマチュア時代にも何度もプロのトーナメントに挑戦し、優勝争いを演じた
かつて私が千葉県3人娘の末っ子として紹介した霜出佳奈プロだったことや、
2年前、高校1年生で出場し3位になり、今年でプロ2年目の坂本かやが5位だったことについてはなんともいえませんが、
とにかくプロ同士の争いだったのは本来あるべきトーナメントの姿でしょう。
それでも、6位、8位にはJBCナショナルメンバーのアマチュア選手が入っています。

 男子は、今年の国体も制した、JBCナショナルメンバーでもエース級の力を持つアマの選手が優勝。
3位には高校1年生の両手投げアマチュアボウラーが入りました。
男女そろってプロの優勝というごくあたりまえの結果には今年もなりませんでした。

 ところで、2ヵ月前
「今年の高校選手権、男子は決勝に残った上位5人中、4人が両手投げ」
とご紹介しましたが、ジャパンオープン3位の高校1年生はその4人に入っていません。
その程度の選手に大半のプロが劣ったのか…という見方もできますが、
彼は中学時代からその素質の高さが評価され、ひょっとすると
「10年に一人の逸材かもしれない」選手でもあります。
まあ、いずれにしてもプロとしては情けない結果ですね。


山本勲プロ

 今までだと、ここからこのコラムは私のプロへの苦言となるのですが、今月はちょっと違います。
 まず、ジャパンオープン過去10大会(10年ではありません)の男女優勝者、
並びに主な上位入賞者名(基本的にプロのみ、後のプロは名前を記しています)
を列挙しましょう。

2007年
男子 
優勝 山本勲
女子 
優勝 関根直子

2008年
男子 
優勝 山本勲 
2位 ジョン・テハ
3位 川添奨太(アマ)
女子 
優勝 鷲塚志麻

2009年
男子
優勝 高橋延明
女子
優勝 松岡美穂子

2010年
男子
優勝 川添奨太
女子
優勝 ウエンディ・マックファーソン

2011年
男子
優勝 川添奨太
女子
優勝 アマ
2位 川口富美恵
3位 ウエンディ・マックファーソン

2012年
男子
優勝 坂田重徳
2位 アマ
女子
優勝 進博美

2013年
男子
優勝 高橋俊彦(アマ)
2位 田坂大輔
3位 藤井信人
女子
優勝 アマ
2位 アマ
3位 長谷川真実

2015年
男子
優勝 森本健太
女子 
優勝 水谷若菜(当時中学3年のアマ)
2位 桑藤美樹
3位 坂本かや(当時高校1年のアマ)
4位 内藤真裕美
5位 霜出佳奈(アマ)

2016年
男子
優勝 永野すばる
ただし、アマの選手が1位で決勝進出
女子
優勝 アマ
2位 姫路麗
3位 吉川朋絵
4位 アマ

2017年
男子
優勝 アマ
2位 遠藤誠
3位 アマ(高校1年生)
女子
優勝 松永裕美
2位 霜出佳奈
3位 姫路麗

 男子で2007年、2008年連覇の山本は、2005年にプロ入りし、
この2年は飛ぶ鳥を落とす勢いで勝ちまくっていました。
 女子で2007年優勝の関根も2006年にプロ入りしています。
 2010年は、男女とも決勝で300点が出て優勝が決まった大会でした。
男子優勝の川添(2011年も優勝)は2008年にアマで3位、この年のプロ入りです。
 ちなみに山本、関根、川添はいずれもJBCナショナルメンバーでした。
女子優勝のウエンディは当時日本のトーナメントを席巻したため、
これが後に「基本的に日本人選手でないと出場できない」
というドメスティックなルールを生みました。


川添奨太プロ

 男女どちらか、あるいは両方で必ずアマが優勝争いに加わるのは2011年からですが、
それ以前は、JBCのエース級だったボウラーがプロ入りすると
すぐに優勝できていることがわかります。

 過去10大会、アマは男子で優勝2人、2位1人、3位2人 女子は優勝4人、2位1人、3位1人

ジャパンオープンに関する限り…というより、ジャパンオープンを
「日本全国からボウラーが集うボウリング界の大祭」と
JPBAが謳っている以上、ジャパンオープンは日本ボウリング界最高峰のトーナメントです。
それが こんな成績では、プロには誠に失礼ながら
「もはや、プロがアマより強いなどということはない」
ことがはっきりとわかります。

ただし、表現をこう変えることもできるでしょう。

プロが弱いのでも、アマが強いのでもなく、

『今は強いボウラーがプロにはならなくなってきている』

と。

その理由は申し上げるまでもなく
「トーナメントの数が絶望的に少ない、トーナメントだけでは
到底生活できないからプロになったってしょうがない」

からでしょう。

 意を決してアマチュアのトップ(多くはJBCナショナルメンバー)からプロになった人は
そのほとんどがプロ入りしてすぐに好成績を残しています。

 これは、今から10年以上も前、男子では山本勲、女子では清水弘子がプロ入りしてから
共にすぐ圧倒的なNo.1プロになってしまったあたりからの顕著な傾向なのです。

 プロは過酷なテストを突破してそのライセンスを持っているわけですが、
このテストがまたトップアマチュアにとってはなんとも低いハードルなのも明らかです。
このコラムで以前お伝えしたように、今年のジャパンオープン2位の霜出プロは、今年のプロテストで男子のトップより
はるかに高いアベレージをマークしてトップ合格しています。
そういうプロは当然、すぐにトーナメントで結果を出すわけです。

もちろん、中には

「アマチュアでやり続ける美学のためにプロを目指さない」ボウラーもいるでしょうが、
トーナメントの数も賞金総額も現在の10倍、いいや、せめて5倍ぐらいあったら、こんなにアマチュアばかりが優勝することもないに違いありません。
プロのトーナメントで活躍しているアマチュアの大半はプロになっているでしょうから。

ということで、私からの2017年最後の提言は

あたり前のことながら

トーナメントの増加と賞金の増額

です。

競技としてのボウリングの健全な発展のためにも、
JPBAが存続していくなら
これは絶対に実現させなければいけないと考えます。

では、皆さま、よいお年を。

四家 秀治 (よつや・ひではる)

四家 秀治 (よつや・ひではる)

元テレビ東京アナウンサ- 2011年7月からはフリ-。テレビ東京在職中は、ボウリングの実況を多数経験。東京運動記者クラブボウリング分科会代表幹事と、武部勤衆議院議員が会長であるボウリング評議会の理事を2011年3月まで務めた

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