米国ボウリング最新事情-16

 
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●米国のジュニア開発

株式会社ファンキー代表取締役 船木寛氏

 10月10、11の2日間、東京・吉祥寺の第一ホテルで『全国ブランズウィック会アニュアルコンベンション2017東京』が開催されましたが、BPAA(米国ボウリング場協会)のバート・バーガー理事が来日し、ジュニア開発のための研修会を行いました。

 全国ブランズウィック会は、全メンバーがBPAAに加盟しており、相互協力事業のひとつとして、米国で今年完成したばかりのジュニア開発マニュアル『ラーン・ザ・スポーツ』の使用を許可され、その内容についての講義を受けました。

 アメリカでは、ボウリングはファミリー層が増えたことによる客層の若返りと客単価の上昇で、投資効率が高く、収益性の高いビジネスとなり、産業規模が6000億円、参加人口7000万人(1位)のスポーツとなっています。とくに若年層の伸びが大きく、高校で成長率1位のスポーツになり、過去8年で男女高校生の参加率が倍増し、ボウリング部のある高校が5000校(競技ボウラーが54000人)を突破しました。ボウリング部のある大学も250校以上に上るそうです。



 このブームが作られた大きな要因に“夏休みこども無料ボウリング”があります。これは30年ほど前に始まり、今では全米各地の多くのセンターが実施して、ジュニアの底辺を拡大させています。
 BBBIという民間の会社が主催するキッズ・ボウル・フリーは、昨年約200万人、これまでの9年間の累計では1700万人の子どもたちが参加しました。そしてこの会社は、登録されたデータを基にして、親のメールアドレスにボウリング教室や、子供リーグの案内メールなどをひんぱんに送って、ボウリング教室の参加者を大幅に増やし、結果として、アメリカの若者の間にボウリングブームを起こしています。

 “無料でボウリングをさせて終わり”ということではなく、ボウリング教室でボウリングの基本と楽しさを教えて、次につながるボウリングファンを増やしているのです。
 残念ながら日本では、ジュニアボウリング教室の参加者が少なく、これまではジュニア専用のコーチングマニュアルさえなかったというのが現実です。しかしジュニア開発に力を入れている米国では、10年ぶりにマニュアルが改訂され、今年1月にリリースされました。

 その新マニュアル『ラーン・ザ・スポーツ』は、BPAAとUSBCが協力して、ジュニア育成プログラムを改定して作ったものですが 「昔と違って今の子供たちは、面白い遊びがたくさんあるので、ボウリングの楽しさを教えるだけでは長続きしない。なぜボウリングがよいのか、親と子供たちを納得させないといけない」というコンセプトのもと作られています。
 そのため、今年米国では『ラーン・ザ・スポーツ』を使ってボウリング教室を開いたセンターは、ボウリング教室開催後の友達たちの継続率が平均40パーセントという、驚異的な成果を挙げています。

 このマニュアルは、初心者を中級者・上級者にするためのものではなく、もっと下のレベルの、まったくボウリングを知らない子供たちに興味を持ってもらうためのマニュアルで、広く浅く、底辺拡大をさせることを目的としているということです。

 日本でも、少ない参加者の中から強い選手を育てようとするよりも、まずは参加者を増やして、底辺拡大をさせることが肝心かもしれません。

(ボウリングジャーナルより掲載)

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