四家秀治の「ナイス!ピンアクション」-82

 
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●西城正明 氏 殿堂入り

 昨年は創立50周年ということで、盛大なパーティ開催のためお休みだったJPBA(日本プロボウリング協会)スポンサー感謝の集いが今年は開催されました。

 JPBAからお声をかけていただいたので出席してまいりました。

 昨年、創立50周年と同時に殿堂制度を導入したJPBA、
初年度は19人が、殿堂入りを果たしたのは皆さんもご存じかと思います。
その表彰は、創立50周年パーティの席上で行われましたが
殿堂入りはそれで終わったわけではありません。

 今年、新たに3人の発表がありました。
 その表彰がスポンサー感謝の集いの中で、行われたのです。

 西城正明氏、故金田惠子プロ、時本美津子プロの3人です。

 異論はないでしょう。

 というより、昨年、すでに殿堂入りされていてもおかしくはない方々です。

 本業は実況アナウンサーの私、個人的にこのお三方には、
アナウンサーとしてもそれぞれ多くの思い出があります。



 時本プロは、当時はアマチュアだった鷲塚志麻選手にプリンスカップ決勝で敗れるという
ショッキングな場面の実況を担当した苦い思い出に始まって、
圧倒的に強かった2000年代前半の数々の優勝シーンの実況をさせていただいたこと、
そしてお人柄のすばらしさが印象に残ります。
もちろん、今もお元気で活躍されているのはとてもうれしいことです。



 故金田プロは、夫の石原章夫プロが代わりに表彰を受けていらっしゃいましたが、
金田プロには、まだ私が実況の駆け出しだった頃、
理論的なことを一番教えてくださった思い出があります。
その人あたりの柔らかさは、忘れることができません。
しかし、あれだけ強かったのに、間が悪いというのか、
とうとう金田プロの優勝実況をすることが一度もできなかったのが心残りです。
 いつも、トーナメントでお会いすると金田プロのほうから
「今度は実況していただけるようがんばります」などとおっしゃってくださっていたのが
昨日のことのようです。



 そして、西城さんです。

 このコラムでもボウリング愛の詰まった西城さんの鋭いコメントを
今までもいくつか紹介させていただきましたが、
その中でも一番は、やはり
「プロたるもの、誰もが出せるありきたりのアングルでストライクを出したって
しょうがないんだ。そんなのはあたりまえ。
えっ?と思うようなところから
信じられないようなボールでストライクを出してこそプロなんだよ」
です。

 五月みどりさんというスゴイお姉さんがいて、
小松みどりさんというこれまたすばらしい妹がいて、
いわば芸能一家の中でもまれて育ったといえば簡単ですが、
プロ意識はケタはずれに大きい方(ご本人にいわせればあたりまえなのかもしれません)です。
 もちろん、歌声も大変すばらしく、全盛期にはレコード(古いですね)も出されています。

 事実、全盛期の存在感は圧倒的で、派手なユニフォームも良く映えました。
通算勝利数35勝という矢島純一プロに次ぐ2位の成績以上に、
男子プロの、というよりボウリング界の大スターだったことも間違いありません。
 西城さんの優勝を実況させていただく機会もありましたが、
10フレ勝負を魅せるストライクでビシッと決める
正に“プロ”らしいカッコいいフィニッシュでした。

 しかし、ご自身は常日頃から
「オレがスターじゃダメなんだよ。オレがスターの好敵手ぐらいの存在でなくちゃ」
ともおっしゃっていました。これは小柄であることを意識なさっていることからきているようでした。



 2010年にJPBAから脱退するときも
「JPBAは資源も何もない絶海の孤島で生活している民族のようなもの。
スポンサーという救援物資がときどきその孤島にやってきて、それを奪いあっているだけ。
そんな状態が何年も続いているんだ。その状況から抜け出るには、船を出したり、
飛行機やヘリコプターを飛ばしたりしてスポンサーを開拓したり、
島の魅力を訴えたりしなければいけないのに全然しない。
ただ、スポンサーという救援物資がくるのを待っているだけなんだ。これじゃダメだよね」
というようなお話しをされていました。

 常にJPBAに対して、正しい発言を真っ向からなさっていたように思います。



 西城さんはすでにJPBAをお辞めになっていることもあるから、
昨年殿堂入りにならなかったのだろうと私は思っていましたし、
昨年、殿堂入りしないということは
「西城さんは対象外なのかな」
と勝手に思ってもいました。

今年、それが私の間違った解釈だったとわかったこともとてもうれしく、
また、JPBAの客観的な判断に心から拍手したい気持ちにもなりました。

時本プロも故金田プロももちろんすばらしいです。

でも、西城さんの殿堂入りが最も印象に残ったというのが私の正直な気持ちです。

 久しぶりにお会いした西城さんにこのところの川添奨太プロの活躍について話すと、
「うん、でもさ、アマチュアっぽいよね」と一言、

 72歳、西城正明は、健在でした。

 改めて、JPBAにはがんばってもらいたいものです。

四家 秀治 (よつや・ひではる)

四家 秀治 (よつや・ひではる)

元テレビ東京アナウンサ- 2011年7月からはフリ-。テレビ東京在職中は、ボウリングの実況を多数経験。東京運動記者クラブボウリング分科会代表幹事と、武部勤衆議院議員が会長であるボウリング評議会の理事を2011年3月まで務めた

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